生後3ヶ月ごろになると、「そろそろ生活リズムを整えたほうがいいのかな」と考えはじめる方が多いと思います。
調べると、時刻まで細かく決まったスケジュール表が出てきます。7時起床、10時に昼寝、19時にお風呂——。
そして、その通りにならなくて落ち込む。
先にお伝えします。この時期に、時間割どおりに動く赤ちゃんはほとんどいません。 スケジュール表は「こうなるはず」ではなく、「だいたいこのあたりに山がくる」という地図のようなものです。
この記事では、公的な資料で示されている目安と、その幅の中で何を見ればいいのかを整理します。
結論:時刻より「幅」を見る
- 生後3ヶ月の睡眠時間の目安は 14〜15時間。⚠️ ただしこれは「必要量」ではなく、この月齢の子に多く見られる範囲です
- 3〜4時間続けて眠るようになる時期です。まとまって眠れない日があっても、月齢の幅の中です
- ⚠️ 授乳の間隔を時計で決めない。お腹が空くタイミングは毎日同じではありません
- スケジュール表は守るものではなく、崩れたときに戻る目印として使ってください
公的な資料では、どう書かれているか
月齢ごとの睡眠には、公的にまとめられた目安があります。
| 時期 | 睡眠時間 | まとまって眠る長さ |
|---|---|---|
| 新生児期 | 16〜20時間 | 1〜4時間(昼夜のリズムなし) |
| 生後3ヶ月ごろ | 14〜15時間 | 3〜4時間 |
| 生後6ヶ月ごろ | 13〜14時間 | 6〜8時間 |
| 1〜3歳 | 11〜12時間 | ほぼ夜間にまとまる |
生後3ヶ月は、新生児期の「昼も夜もない」状態から、少しずつ夜にまとまりはじめる入口にあたります。
⚠️ 1〜2ヶ月の間に急に変わるわけではありません。 上の表を見ると、6ヶ月で「6〜8時間続けて眠る」となっていますが、そこまではまだ距離があります。
⚠️ 「毎月の正解」は公表されていません
この資料が示しているのは、新生児期・3ヶ月・6ヶ月・1〜3歳の4つだけです。
「生後4ヶ月は◯時間」「5ヶ月は◯時間」といった月ごとの数字は、公的には示されていません。ネットで月齢別の細かい数字を見かけますが、出どころのはっきりしないものが混ざっています。
だから、細かい数字を探しても答えは出ません。 上の表の「幅の間のどこか」と考えてください。
「未就学児の睡眠指針」(2018年3月・厚生労働科学研究費補助金 未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班 編/発行・編集:愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター。こども家庭庁「健やか親子21」のサイトに掲載) https://sukoyaka21.cfa.go.jp/media/tools/s04_nyu_pan004.pdf
1日の流れの例
以下は「こうなる家庭もある」という一例です。⚠️ この通りに合わせる必要はありません。
| 時間帯 | 過ごし方 |
|---|---|
| 7:00ごろ | 起床・授乳 |
| 午前 | 機嫌のいい時間。遊びや外気浴 |
| 午前〜昼 | 昼寝(30分〜1時間半くらい) |
| 昼 | 授乳 |
| 午後 | 昼寝(1〜2時間くらい) |
| 夕方 | ぐずりやすい時間帯 |
| 18:00〜19:00ごろ | お風呂 |
| 19:00〜20:30ごろ | 授乳・就寝 |
| 夜間 | 必要に応じて授乳 |
⚠️ 時刻は目安です。 起床が8時の家庭も、就寝が21時の家庭もあります。家庭の生活時間に合わせて、全体をずらして構いません。
大事なのは順番のほう——起きる → 日中に活動する → お風呂 → 暗くして寝る、という流れが毎日だいたい同じであることです。
この通りにならない理由
「うちの子だけできていない」と感じる方が多いのですが、そうではありません。
- 昼寝の長さは日によって変わります。 30分で起きる日も、2時間眠る日もあります
- 夕方にぐずるのは、この時期によくあることです(たそがれ泣きと呼ばれます)
- 夜中に何度も起きるのも、まだ普通です。6〜8時間続けて眠るのは、もう少し先の話です
- 外出や予防接種があった日は、崩れて当たり前です
⚠️ ひとつ、知っておいてほしいことがあります。日本の3歳未満の子どもの平均総睡眠時間は11.6時間で、17か国の比較で最も短いという調査結果があります。
つまり、日本の家庭の生活時間そのものが、子どもにとっては夜型です。理想的な表と自分の家を比べて落ち込む前に、そもそも社会全体がその表からずれている、と知っておくと少し楽になります。
授乳の間隔は、時計で決めない
「3時間空けないといけない」と考えている方がとても多いのですが、そこは臨機応変で構いません。
大人でも、毎回きっちり同じ時間にお腹が空くわけではありません。赤ちゃんも同じです。
⚠️ この点は、助産師さくらに詳しく聞いた内容を別の記事にまとめています。→ 赤ちゃんが泣き止まない。まず確認する4つ
生活リズムを整えるためにできること
時間割を守らせるのではなく、手がかりを毎日同じにするという考え方です。
1. 起きる時間だけ、だいたい揃える
夜の寝つきは、朝の起床時刻に影響されます。寝る時間を早めようとするより、起きる時間を揃えるほうが先です。
カーテンを開けて、明るくする。それだけで構いません。
2. 昼と夜の環境を変える
- 日中 — 生活音はそのままで大丈夫です。静かにしすぎる必要はありません
- 夜 — 照明を落とし、夜間授乳も最低限の明るさで
⚠️ 「昼夜の区別がつく」というのは、環境の差で覚えていくものです。時刻そのものを覚えるわけではありません。
3. 崩れた日は、翌朝に戻す
一度崩れると、そのまま戻せない気がしてきます。ですが、翌朝いつもの時間に起こせば、だいたい戻ります。
夜のうちに取り返そうとしないほうが、うまくいきます。
相談を考える目安
生活リズムの話とは別に、次のような様子があるときは、家庭内で完結させないでください。
- 飲みが落ちている、体重が増えていない
- いつもより明らかに元気がない、反応が鈍い
- 発熱がある(⚠️ 生後3か月未満の発熱は、それだけで受診の理由になります)
- 保護者側が眠れず、気分の落ち込みが続いている
⚠️ 最後のものは、赤ちゃんではなくあなたの相談の目安です。産婦人科、保健センター、かかりつけに相談して構いません。
判断に迷うときは、夜間でも #8000(小児救急電話相談) に電話して大丈夫です。
よくある質問
Q. スケジュール通りにいきません。おかしいですか?
A. おかしくありません。⚠️ この時期に時間割どおり動く赤ちゃんは、ほとんどいません。
Q. 昼寝が30分で終わってしまいます。
A. 昼寝の長さは日によって変わります。短い日が続いても、機嫌と飲みが普段どおりなら様子を見て大丈夫です。
Q. 夜中に何度も起きます。いつまで続きますか?
A. まとまって眠るようになるのは、資料上は生後6ヶ月ごろからです。3ヶ月で起きるのは、まだ月齢の幅の中です。
Q. 夕方の長い昼寝は、やめさせたほうがいいですか?
A. 夕方に長く眠ると夜の寝つきに影響することがあります。⚠️ ただし無理に起こす必要はありません。眠っているなら、その日は必要だったということです。
Q. 生活リズムは、いつ整いますか?
A. 時期には幅があります。⚠️ 整えるというより、少しずつ整っていくものと考えてください。
まとめ
- 生後3ヶ月の睡眠は 14〜15時間、3〜4時間続けて眠るようになる時期
- ⚠️ 月ごとの細かい正解は、公的には示されていません。幅の間のどこか、と考えてください
- スケジュール表は守るものではなく、崩れたときに戻る目印
- 揃えるなら、起きる時間から
- ⚠️ 授乳の間隔を時計で決めない
- ⚠️ 日本の3歳未満の平均睡眠は17か国で最短。理想の表とずれているのは、あなたの家だけではありません
この通りにならないことのほうが多い時期です。表と比べるより、目の前の子の機嫌と飲みを見てください。


