赤ちゃんの秋の室温と服装|「秋は何度」という数字が無い理由と、冬の前にやっておきたいこと

秋の朝の子ども部屋で、スリーパーを着てあおむけに眠る赤ちゃんと、窓辺に置かれた薄手の羽織りもののイラスト おうちで安全に
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文=やすぴ(イクジヒロバ 運営者) 医療・安全の監修=助産師さくら この人たちについて ›

朝は肌寒いのに、昼は汗ばむ。日が落ちるとまた冷える。

秋は、一日のなかで気温が動きます。「何を着せればいいのか」「布団は足すべきか」——夏や冬より、かえって迷う時期です。

調べると「秋の室温は◯℃」という数字が出てきます。ただ、先にお伝えしておきたいことがあります。

公的機関が「秋はこの室温」と示しているものは、見つかりません。 夏と冬には目安がありますが、その中間にあたる秋には、はっきりした基準が無いのです。

だから数字を探しても、なかなか答えにたどり着けません。この記事では、その代わりに何を見ればいいのかを整理します。

結論:秋は「数字」より「差」を見る

  • 秋の室温に、決まった目安はありません。夏の25〜28℃と、冬の20〜23℃の間を、その日の気温で行き来します
  • 見るべきは室温そのものより、日中と夜の差。10℃近く動く日があります
  • 目安は大人プラス一枚(生後2〜3か月からは大人と同じくらい)。⚠️ ただし「手が冷たいから」とそこからさらに足していくと、熱がこもります
  • 判断は、背中や首の後ろを触る。手足の冷たさでは分かりません
  • 寝るときは掛け布団を足すより、着るタイプの寝具(スリーパー)で調整する
  • そして秋は、冬の前に寝る環境を見直しておく時期です(後述)

夏の記事でもお伝えしたことですが、基準は 保護者自身が心地よく過ごせているか です。→ 赤ちゃんの夏の室温は何度が正解?

なぜ「秋は何度」が無いのか

夏には熱中症、冬には低体温や乾燥という、はっきりした危険があります。だから目安の数字が示されています。

秋にそれが無いのは、危険が少ないからではなく、日によって夏にも冬にもなるからです。

10月の日中が25℃を超えることもあれば、同じ週の明け方が12℃まで下がることもあります。ひとつの数字では表せません。

つまり秋は、「今日はどちらに寄っているか」を見て決める季節ということになります。数字を覚えるより、この考え方のほうが役に立ちます。

何枚着せるか、の前に

目安は大人プラス一枚です。生後2〜3か月からは、大人と同じくらいで構いません。
そのうえで、足しすぎに気をつけてほしい理由があります。

理由は3つあります。

  • 赤ちゃんは体温が高めで、大人より暑がりです
  • 汗をかく機能が未熟で、こもった熱を逃がすのが上手ではありません
  • 自分で脱げません。暑くても、伝えられるのは泣くことだけです

「手が冷たいから寒いのだろう」と考えて足していくと、気づかないうちに熱がこもります。⚠️ 赤ちゃんは手足から熱を逃がしているので、手足が冷たいのは正常なことが多いです。

触る場所は、背中と首の後ろ

確認は、この2か所です。

触った感じどうする
汗ばんでいる・しっとり暑い。一枚減らす
温かく、さらっとしているちょうどいい
ひんやりしている寒い。一枚足す

抱き上げたときに、服の中に手を入れて確かめてください。着替えのタイミングでも構いません。

👶 助産師のひとこと
私は「赤ちゃんは大人プラス一枚」とお伝えしています。

ただしこれは新生児のうちの話で、生後2〜3か月になったら大人と同じくらいで構いません。

枚数そのものより、一日の中で気温が動くことのほうが大事です。朝と昼で変わるなら、その都度足したり減らしたりできる着せ方にしておくといいですよ。

日中と夜で、どう変えるか

秋の服装で難しいのは、一日のなかで変える必要があることです。

考え方はシンプルで、薄いものを重ねて、脱ぎ着で調整する。厚い一枚で対応しようとすると、暑いか寒いかのどちらかになります。

  • 日中の外出 — 肌着+薄手の長袖。上に羽織りものを一枚持つ
  • 室内大人プラス一枚が目安。⚠️ ただし生後2〜3か月からは大人と同じくらいで構いません
  • 夕方以降 — 気温が落ちるので、一枚足す
  • 就寝時 — 後述

⚠️ ベビーカーと抱っこひもでは、体感が変わります。 抱っこひもは大人と密着するぶん温かく、ベビーカーは地面に近くて風も当たります。同じ服で外に出たとき、暑がるか寒がるかが逆になることがあります。

寝るときは、掛け布団を足さない

秋が深まると、掛け布団を足したくなります。ここは注意が必要な場面です。

こども家庭庁は、1歳になるまでは掛け布団を使わず、スリーパーや空調で温度を調整することをすすめています。寝床は身体が沈まない硬めで平坦なものを使い、ぬいぐるみやタオルなど不要なものを置かないこと、とされています。

これは窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げるための考え方です。寒くなってきたからといって、この原則は変わりません。

寒さへの対応は、掛けるものを増やすのではなく、着るもので調整する。スリーパーが使いやすいのはこのためです。

⚠️ 明け方がいちばん冷えます。 寝る前の室温だけで判断すると、朝方に足りなくなります。暖房を使わない時期なら、その分は着るもので補ってください。

📚 この記事を書くために参考にした情報
こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」 https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids

秋は、冬の前に整えておく時期です

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

こども家庭庁は、毎年11月を「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間」と定めています。理由は明確で、SIDSは12月以降の冬期に発症しやすい傾向があるからです。

つまり11月の呼びかけは、冬に入る前に間に合わせるための呼びかけです。そう考えると、秋という時期の意味が変わってきます。

⚠️ ひとつ、正確に区別しておきたいことがあります。SIDSは、窒息などの事故とは別のものです。こども家庭庁は「それまで大きな異常のきざしがないのに、乳幼児が睡眠中に亡くなってしまう原因不明の病気」と説明しています。事故とまとめて語られることがありますが、同じではありません。

令和6年には55名の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第3位です。平成8年の526人からは大きく減っています。

発症率を低くする3つのポイント

予防法は確立していませんが、次の3つで発症率が低くなるというデータがあります。

1. 1歳になるまでは、あおむけに寝かせる

うつぶせ・あおむけのどちらでも起きていますが、あおむけのほうが発症率が低いことが分かっています。医学上の理由でうつぶせ寝をすすめられている場合を除きます

2. 無理のない範囲で母乳育児を

母乳で育てられている赤ちゃんのほうが発症率が低いことが分かっています。⚠️ ただし、事情は家庭ごとに違います。できないことを責める話ではありません

3. たばこをやめる

妊婦本人の喫煙も、まわりの人の煙を吸う受動喫煙も、要因になります

秋のうちに、寝る場所を一度見直しておく。 それが、この時期にできるいちばん確実なことだと思います。

ここは、ふたりで知っておくと楽な部分です。寝かしつけを交代でするなら、寝床の作り方も同じでないと意味がありません。

📚 この記事を書くために参考にした情報
こども家庭庁「11月は『乳幼児突然死症候群(SIDS)』の対策強化月間です」(令和7年10月31日 報道発表) https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0717ee9f-4180-4240-bc82-ed0669464687/e294a7f5/20251031press-0717ee9f-4180-4240-bc82-ed0669464687-01.pdf
👶 助産師のひとこと
秋の寝る環境について相談を受けることは、実はあまり多くありません。

ただ、夏と同じで、エアコンの風が直接当たらないようにしてあげてください。そのほうが赤ちゃんも快適だと思います。

それと、適度な湿度もあるといいですね。空気が乾いてくる時期なので、そこは気にしてあげてください。

よくある場面と、どうするか

  • 朝と昼で気温が10℃違う → 薄いものを重ねて、脱ぎ着で対応します。厚い一枚で通そうとしない
  • 夜中に布団を蹴ってしまう → 掛け布団を足すのではなく、スリーパーに替えます
  • 手が冷たいので靴下を履かせたい → 室内では基本的に不要です。赤ちゃんは手足で熱を逃がしています
  • 暖房はいつから使う? → 決まった時期はありません。⚠️ 使い始めたら乾燥とやけどの対策が必要になります → 赤ちゃんの冬の室温と乾燥対策
  • 朝晩だけ冷える。エアコンはもったいない? → 短時間なら、着るもので調整するほうが手軽です

相談を考える目安

室温や服装の調整で解決しない、次のような様子があるときは、家庭内で完結させないでください。

  • 飲みが落ちている、いつもより明らかに元気がない
  • 顔色が悪い、反応が鈍い
  • 発熱がある(⚠️ 生後3か月未満の発熱は、それだけで受診の理由になります
  • 呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている

判断に迷うときは、夜間でも #8000(小児救急電話相談) に電話して構いません。

よくある質問

Q. 秋の室温は何度が正解ですか?

A. 決まった数字はありません。夏の25〜28℃と冬の20〜23℃の間を、その日の気温で行き来します。数字より、背中を触って確かめるほうが確実です。

Q. スリーパーはいつから使えますか?

A. 新生児から使えるものもあります。サイズが合っていること、顔にかからないことが条件です。

Q. 秋でもエアコンは使っていいですか?

A. 構いません。⚠️ 風が直接当たらないようにしてください。

Q. 厚着させて汗をかいたら、風邪をひきますか?

A. 汗が冷えると体は冷えます。⚠️ 汗をかいていたら、着替えさせて一枚減らしてください。

まとめ

  • 秋の室温に決まった目安はありません。夏(25〜28℃)と冬(20〜23℃)の間を動きます
  • 見るのは室温より、日中と夜の差
  • 目安は大人プラス一枚(生後2〜3か月からは大人と同じくらい)。⚠️ そこからさらに足さない
  • 判断は背中と首の後ろ。手足の冷たさでは分かりません
  • 寝るときは掛け布団を足さず、着るもので調整する
  • ⚠️ SIDSは12月以降の冬期に増えます。秋のうちに寝る環境を見直しておく

秋は、迷って当たり前の季節です。数字が無いのですから、迷わないほうが難しい。

この記事について

文=やすぴ(イクジヒロバ 運営者)。医療・安全に関わる部分は、助産師さくらが内容を確認しています。運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。

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