冬になると、室温と乾燥が気になります。「何度がいいの?」「加湿器はいる?」——調べると数字はすぐ出てきます。
ただ、あまり書かれていないことが一つあります。
乾燥対策としてすすめられる加湿器が、やけどの原因になっているということです。消費者庁が事故事例とともに注意を呼びかけています。
数字と、その先の話をまとめます。
結論:数字は目安、置き方のほうが大事
- 冬の室温は 20〜23℃、湿度は 40〜60% が目安
- ⚠️ ただし数字より、赤ちゃんの様子(背中の汗・手足の冷え方・機嫌)
- 加湿器と暖房器具は、赤ちゃんの手が届かない場所へ。スチーム式の吹出口は高温です
- エアコンの風を直接当てない
- 加湿器のタンクの水は毎日替える
夏の記事でもお伝えしましたが、保護者が心地よく過ごせる環境が基準です。→ 赤ちゃんの夏の室温は何度が正解?
⚠️ 加湿器・暖房器具のやけど事故
ここがこの記事でいちばん伝えたいことです。
消費者庁が公表している事故事例には、次のようなものがあります。
- 生後8か月:加湿器の蒸気吹出口に手を当て、人差し指から薬指をやけど。中指には水ぶくれ
- 3歳:倒れた加湿器から熱湯をかぶり、腹部から背中にやけど。入院が必要
- 生後7か月:ファンヒーターの前で寝転がり、温風で足をやけど
- 生後3か月:電気カーペットの上で低温やけど。通院
生後3か月、7か月、8か月——まだ動けないと思っている月齢でも起きています。
予防のポイント
消費者庁が挙げているのは、次の3つです。
- 子どもの手が届かない場所に設置する、または安全柵で囲む
- 高温蒸気対策機能や転倒防止機能のついた製品を選ぶ
- 湯たんぽ・電気カーペットは、長時間の使用を避ける
⚠️ とくに低温やけどは気づきにくいものです。熱いと感じない温度でも、長く触れていると起こります。電気カーペットや湯たんぽの上で寝かせっぱなしにしないでください。
自分で熱さを表現できなかったり、布団を剥ぐ、湯たんぽをどかす、などの温度調整ができないうちはエアコンや電気ストーブなどの外気から温度を温める方法がいいでしょう。ずり這いやハイハイ以降の時期には、加湿器も含め、手を触れると危ないものはベビーゲートやベビーサークルでお子さんが触れられないような環境を作るのがいいでしょう
もし、やけどをしてしまったら
⚠️ やってはいけないことがあります。
消費者庁が示している応急処置はこうです。
- 10分以上、冷水で冷やす(水道水を直接強く当てるのは避ける)
- 服を着ている場合は、脱がさずに服の上から冷やす
- ❌ 市販の冷却シートは使わない
冷却シートは使えません。 これは知らない方が多いところです。ジェルシートは患部に貼りつき、はがすときに皮膚を傷める可能性があります。
受診の目安
- 顔面や広い範囲 → 救急車を呼ぶ
- 片腕以上の範囲 → 至急受診
- 手のひら以上の広さ/水ぶくれができている → 医療機関を受診
判断に迷うときは、#8000(小児救急電話相談)に電話して構いません。
消費者庁「Vol.572 暖房器具やスチーム式加湿器でのやけどに注意!」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20211118/ / 消費者庁「こどもの事故防止」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/
室温と湿度の目安
そのうえで、数字の話です。
| 目安 | |
|---|---|
| 室温(冬) | 20〜23℃ |
| 湿度 | 40〜60%(暖房を使うときは50〜60%を意識) |
湿度が40%を下回ると、ウイルスが活動しやすくなり、赤ちゃんの肌も乾きやすくなります。
⚠️ ただし加湿しすぎもよくありません。結露やカビの原因になります。60%を超えないようにしてください。
温湿度計を、赤ちゃんが過ごす高さに置くのがおすすめです。エアコンの表示は本体の位置で測っているので、床に近い場所とは差が出ます。
数字より、赤ちゃんを見る
夏の記事と同じことをお伝えします。数字を守ることが目的になると、しんどくなります。
見るのはこの3つです。
- 背中や首の後ろを触る — 汗ばんでいたら暑すぎ
- 手足の冷たさだけで判断しない — 赤ちゃんは手足で放熱しています
- 飲み・排泄・機嫌 — ここが普段どおりなら、数字が多少ずれていても大丈夫
「手が冷たいから」と厚着させすぎると、かえって熱がこもります。
大人が心地よい温度を基準にお子さんの衣類を調整してあげましょう。寒いと寝つきが悪かったりもするかもしれませんね。
寝るときはどうする?
冬の寝具は、夏より判断が難しくなります。
こども家庭庁は、1歳までは掛け布団を使わず、スリーパーや空調で温度を調整することをすすめています。寝床は身体が沈まない硬めで平坦なものを使い、ぬいぐるみやタオルなど不要なものを置かないこと、とされています。
これは窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げるための考え方です。
冬でも同じで、厚い布団を掛けるより、着るタイプの寝具(スリーパー)と室温で調整するほうが安全です。
⚠️ 暖房を切って寝る場合は、明け方に室温が下がります。切るなら、その分だけ着るもので補ってください。
こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」 https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids
よくある場面と、どうするか
- 朝起きたら手が冷たい → 手足だけでは判断できません。背中を触って、温かければ大丈夫
- 暖房をつけっぱなしは? → 明け方の冷え込みを防げます。ただし乾燥するので加湿とセットで
- 咳が出るようになった → 乾燥のこともありますが、続くようなら受診を
- 加湿器を置きたいが、置き場所がない → 手が届かない高さに置けないなら、濡れタオルを干す方法もあります
まとめ
- 冬の室温は20〜23℃、湿度40〜60%が目安
- ⚠️ 加湿器と暖房器具は、やけど事故の原因になっています。手が届かない場所へ
- ⚠️ やけどのとき、冷却シートは使わない。10分以上、冷水で冷やす
- 寝るときは掛け布団より、スリーパーと室温で調整
- 数字より、背中の汗・飲み・排泄・機嫌を見る
この記事について
文=やすぴ(イクジヒロバ 運営者)。医療・安全に関わる部分は、助産師さくらが内容を確認しています。運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。


