ベビーモニターは、買う人と買わない人がはっきり分かれるものです。「あって本当によかった」という声と、「結局ほとんど使わなかった」という声が、どちらも同じくらい聞こえてきます。
なぜかというと、必要かどうかが住まいの形でほぼ決まるからです。商品の性能ではなく、家の間取りと生活で決まります。
この記事では、まず「そもそも自分の家に要るのか」を判断する分かれ道を通って、そのうえで買う前に知っておいてほしい安全の話をお伝えします。後半の2つは、商品ページにはあまり書かれていない話です。
我が家も2026年の秋に子どもを迎えるところで、いま準備品をひとつずつ検討しています。
結論:まず「別の空間にいる時間があるか」
- 赤ちゃんが寝ている部屋と、自分がいる部屋が離れている → 要る可能性が高い
- 同じ空間か、声が普通に聞こえる距離 → なくても回ります
- 選ぶときの分かれ目は、専用モニター式かWi-Fi(スマホ)式か、カメラ付きか音声だけかの2つ
- そして買う前に必ず:電源コードの置き場所と、Wi-Fi式の場合ののぞき見対策。ここは後半でしっかり書きます
分かれ道① そもそも、我が家に必要?
要る可能性が高い
- 寝室と生活空間が離れている(廊下を挟む、2階で寝かせて1階にいる)
- 家事や在宅の仕事で、赤ちゃんから離れる時間がある
- 上の子がいる — 上の子の相手をしている間、赤ちゃんの様子が見えません。これは意外と大きい理由です
- マンションで壁が厚い/ドアを閉めないと生活音が届いてしまう
なくても回りやすい
- ワンルームや、リビングの隣で寝かせていて泣き声が普通に聞こえる
- 日中はほぼ同じ空間で過ごす
- 夜も同室で寝ている
判断のコツは「1日のうち、赤ちゃんと別の空間にいる時間が何分あるか」です。ここが十数分程度なら、まず要りません。1時間を超えるなら、あったほうが気持ちが楽になります。
「心配だから」ではなく「何分離れるか」で考えると、はっきり決まります。
分かれ道② 専用モニター式か、Wi-Fi(スマホ)式か
いちばん大きな分かれ道です。
| 専用モニター式 | Wi-Fi(スマホ)式 | |
|---|---|---|
| 見る方法 | 付属の専用画面 | スマホやタブレットのアプリ |
| つなぎ方 | 機器どうしを直接つなぐ | 自宅のWi-Fi・インターネット経由 |
| 外出先から | 見られない | 見られる(祖父母に預けた日など) |
| のぞき見のリスク | ほぼない | 対策が必要(後述) |
| スマホの通知に埋もれる | しない | しやすい |
| 価格 | やや高め | 安いものが多い |
外出先から見る必要がないなら、専用モニター式のほうが気楽です。 インターネットにつながっていないので、のぞき見の心配がそもそも発生しません。専用の画面が常に付いているので、スマホを触っていなくても様子が分かります。
Wi-Fi式が向くのは、里帰りや祖父母に預ける機会が多い家庭、家族の複数人が別々の場所から見たい家庭です。ただし後述の対策は必ずしてください。
分かれ道③ カメラ付きか、音声だけか
音声だけの製品もあります。安く、シンプルです。
カメラ付きが効くのは、「泣いてはいないけど、どうしているか気になる」という場面です。実際、モニターを使う人がいちばん見るのは泣いていないときだったりします。寝返りの様子や、掛けものの位置を確認できます。
音声だけで足りるのは、確認したいのが「泣いているかどうか」だけの場合です。
迷ったらカメラ付きをすすめます。差額はそれほど大きくなく、あとから音声だけに戻したくなることはまずないからです。
分かれ道④ 電源と、置き場所
見落とされがちですが、ここが安全に直結します。
- コンセントの位置 — ベビーベッドの近くにコンセントがないと、コードを引き回すことになります。これは避けたい状況です(理由は次の章)
- 充電式か、コンセント常時接続か — 充電式なら置き場所の自由度が上がります
- カメラの固定方法 — 置くだけか、壁や柵に取り付けるか。柵に取り付けるタイプは、赤ちゃんが動くようになると手が届きます
買う前に、ベビーベッドを置く場所とコンセントの位置を実際に見てください。ここで選択肢が変わります。
⚠️ 置く前に知っておきたい、2つのこと
ここからが、この記事で一番お伝えしたい部分です。
1. コードは、赤ちゃんの手が届かない場所へ
消費者庁は、就寝時の窒息事故を防ぐポイントとして、「寝ている子どもの顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いたりする物は置かない」ことを挙げています。
ベビーモニターはベビーベッドのすぐ近くに置くもので、しかも電源コードがあります。 つまり、この注意がそのまま当てはまる機器です。
ひもが首に巻きついたときの危険性について、消費者庁ははっきり書いています。ブラインドやカーテンのひもによる事故として、「気道閉塞による窒息又は酸素欠乏による神経障害が起こって15秒以内に気絶し、2〜3分で死亡する危険性があります」——実際に3歳のお子さんが亡くなった事例が複数報告されています。
そのうちの1件は、ソファの背もたれが踏み台になってひもに届いてしまったケースでした。「手が届かない高さに置いたから大丈夫」が通用しないということです。
やっておくこと
- カメラ本体とコードは、ベビーベッドから離して設置する
- コードはクリップなどでまとめて、垂れ下がった状態にしない
- 近くに踏み台になる家具を置かない(ベッドの柵、収納ボックス、ソファ)
- 赤ちゃんが動くようになる前に、もう一度置き場所を見直す
新生児のうちは動かないので油断しがちですが、寝返りやつかまり立ちは、思っているより早く来ます。 最初から「動くようになった前提」で置いておくのが結局は楽です。
2. Wi-Fi式を選ぶなら、のぞき見対策を
インターネットにつながるカメラは、設定を変えないまま使うと、第三者に見られてしまうことがあります。 ベビーモニターとして使っていたカメラが遠隔で操作されていた、という事例も報告されています。
総務省と情報通信研究機構(NICT)が中心となって進めている「NOTICE」というプロジェクトでは、ルーターやネットワークカメラなどのIoT機器について、次の2点を呼びかけています。
1. 管理用パスワードを、安全性の高いものにする
2. 最新のファームウェアへアップデートする
とくに危ないのが、買ったときの初期パスワードのまま使うことです。同じ型番の製品が広く売れているほど、初期パスワードは知られています。
買ったその日にやること
- パスワードを必ず変更する(初期設定のままにしない)
- 二段階認証が使えるなら、設定する
- アプリと本体のアップデート通知はオンにしておく
- 使わなくなったら、アカウントを削除して電源を抜く
難しい話ではありません。最初の10分だけの作業です。ここを飛ばさないでください。
消費者庁「就寝時の窒息事故に注意しましょう」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20231102/ / 消費者庁「ブラインドやカーテンのひも等による窒息事故に注意しましょう!」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20220428/ / NOTICE(総務省・NICT・ICT-ISAC)「IoT機器のセキュリティ対策」 https://notice.go.jp/
で、自分はどのタイプ?
| タイプ | こういう家庭 | 向いている方向 |
|---|---|---|
| A. 別室で寝かせる | 寝室と生活空間が離れている。日中も夜も離れる時間が長い | カメラ付き・専用モニター式。画面が常に見えるのが効く |
| B. 上の子がいる | 上の子の相手をしている間、赤ちゃんが見えない | カメラ付き。泣いていないときの様子が分かることに価値がある |
| C. 預ける機会が多い | 里帰り、祖父母に預ける、共有して見たい | Wi-Fi式。ただしパスワード変更は必須 |
| D. 同じ空間で過ごす | ワンルーム、隣室で声が届く | まず不要。動くようになってから考えても遅くない |
買う前に、これだけ確認
1. ベビーベッドの場所とコンセントの位置を見る — コードを引き回さずに済むか
2. 1日に何分、別の空間にいるか数えてみる — ここが必要性のすべてです
3. Wi-Fi式なら、パスワード変更のやり方を先に調べておく — 買ってから調べると、たいてい後回しになります
まとめ
ベビーモニターが必要かどうかは、性能ではなく住まいの形で決まります。別の空間にいる時間が1日1時間を超えるなら、あったほうが楽です。同じ空間で過ごしているなら、急いで買う必要はありません。
そして、どれを選ぶにしても2つだけ。コードをベビーベッドから離すことと、Wi-Fi式ならパスワードを変えること。この2つは、機種の良し悪しより大事です。
我が家もこれから決めます。実際に選んで使ってみたら、続編を書きます。
この記事について
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