液体ミルクの温め方|容器に移して湯煎が基本。電子レンジは4製品とも不可

耐熱の容器に移した哺乳びんを湯煎しているところ。隣に缶・紙パック・パウチの液体ミルクが並んでいる おもちゃ・玩具
記事内に広告が含まれる場合があります。
この記事はイクジヒロバが公開したものです。運営:やすぴ この人たちについて ›

液体ミルクは、温めずにそのまま飲ませてかまいません。国(消費者庁)のリーフレットに「温め不要でそのまま授乳できます」と書かれています。

そのうえで温めるなら、共通の手順はひとつだけです。清潔な容器(消毒した哺乳びん)に移してから、湯煎する。 これは4製品すべてに共通しています。

問題はその先です。「やってはいけないこと」が、メーカーごとに違います。

明治は「アタッチメントを付ければ缶のまま湯煎してもよい」と書いています。雪印ビーンスタークは「缶のまま湯煎するな」と書いています。同じ缶入りなのに、答えが逆です。

だからこの記事は、読み方が決まっています。手元の1本を見て、その会社の欄だけ読んでください。

結論

  • 液体ミルクは温め不要。国のリーフレットが「温め不要でそのまま授乳できます」と書いています
  • 温めるときの共通手順は1つ。清潔な容器に移してから湯煎する
  • ⚠️ 電子レンジは4製品とも不可。国の資料も「絶対に使用してはいけない」と書いています
  • ⚠️ 缶のまま湯煎できるかは、メーカーで答えが逆です。 明治=アタッチメント装着時のみ可/雪印ビーンスターク=不可
  • ⚠️ 紙パック(アイクレオ)は、紙パックのまま湯煎できません。 理由も公式に書かれています
  • 湯煎のお湯の温度と時間を数字で示したメーカーは、4社とも見つけられませんでした(示されているのは仕上がりの温度だけ)
  • ⚠️ 温めたら直ちに使い切る。繰り返しの温め直しはどのメーカーも避けるよう書いています

国の資料は「温め不要」。温めるときの共通手順はひとつだけ

まず、温めること自体は必須ではありません。消費者庁のリーフレットにこう書かれています。

調乳の手間がなく簡単。温め不要でそのまま授乳できます。— 消費者庁「乳児用液体ミルクってなに?」

温める・温めないは、赤ちゃんが飲むかどうかの問題であって、衛生や安全の要件ではない、ということです。

そのうえで温める場合、4製品に共通する手順は「移す」だけです。同じリーフレットに、容器の種類をまたいだ指示が書かれています。

紙パック、缶の場合は清潔な容器に移し替えて与えてください。— 消費者庁「乳児用液体ミルクってなに?」

「清潔な容器」=消毒済みの哺乳びんです。液体ミルク自体は滅菌済みですが、移す先が汚れていれば意味がありません(哺乳びんの消毒剤の選び方)。

そして、そこから先は国も「メーカーを見ろ」と言っています。

詳細は実際の商品の表示や、メーカーのHPを見て御確認ください。— 消費者庁「乳児用液体ミルクってなに?」
製品により、容器や設定されている賞味期限、使用方法が異なる。使用する場合は、製品に記載されている使用方法等の表示を必ず確認することが必要である。— 「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月)<コラム1>乳児用液体ミルクについて

国が「製品により使用方法が異なる」と明言しています。 ここから先が、この記事の本題です。

国が許可している乳児用液体ミルクは4製品。まず容器を確かめる

特別用途食品として「乳児用調製液状乳」の表示許可を受けているのは、4製品です(消費者庁「特別用途食品 許可品一覧」令和8年8月10日更新)。

製品名会社容器内容量
明治ほほえみ らくらくミルク株式会社明治240ml
ビーンスターク 液体ミルク すこやか エム1雪印ビーンスターク200ml
アイクレオ 赤ちゃんミルク江崎グリコ紙パック125ml
森永はぐくみ液体ミルク エコらくパウチ森永乳業パウチ(袋)100ml

容器が3種類あります。缶・紙パック・パウチ。 温め方の違いは、ほぼこの容器の違いから来ています。

なお、賞味期限も容器で違います。

保存期間が容器包装により違うので(紙パックは約6か月、缶は約1年)表示の賞味期限を確認しましょう。— 消費者庁「乳児用液体ミルクってなに?」

⚠️ 「明治ステップ らくらくミルク」という液体もありますが、こちらはフォローアップミルクで、上の許可品一覧には載っていません。この記事は乳児用の4製品の話です。

★ 4製品で「やってはいけないこと」が違う|一覧

公式ページに書かれている内容だけを並べます。空欄は「禁止と書かれていない」ではなく「公式ページに記載を見つけられなかった」という意味です。

明治ほほえみ
らくらくミルク
ビーンスターク
すこやかM1
アイクレオ
赤ちゃんミルク
森永はぐくみ
エコらくパウチ
容器紙パックパウチ
容器のまま湯煎アタッチメント装着時のみ可⚠️ 不可⚠️ 不可記載なし(哺乳びんの湯せんを推奨)
電子レンジ⚠️ 不可⚠️ 不可⚠️ 不可⚠️ 不可
直火⚠️ 不可⚠️ 不可記載なし記載なし
ミルクウォーマー⚠️ 缶のままは不可記載なし記載なし記載なし
容器のまま飲ませる⚠️ 不可(口を切る恐れ)⚠️ 不可(口を切るおそれ)ストローで哺乳びんに注ぐ⚠️ 不可
カイロ・服の中可(40℃以下が目安)記載なし可(紙パックのまま)可(未開封のまま)
開封後2時間以内すぐに使用すみやかに1回で使い切る

⚠️ 「缶のままミルクウォーマーで加熱するな」と明記しているのは、4社のうち明治だけでした。他の3社の公式ページには、ミルクウォーマーへの言及そのものが見つかりませんでした。書かれていない=安全、ではありません。

容器のまま湯煎してよいか|缶・紙パック・パウチで答えが違う

ここが、この検索でいちばん間違えやすいところです。

明治(缶) は、基本は移し替え。ただし専用アタッチメントを付けた場合だけ、缶のままの湯煎を認めています。

缶をよく振った後、清潔な哺乳瓶やマグカップなどの耐熱容器に移し替えてください。— 株式会社明治「明治ほほえみ らくらくミルク」
アタッチメントを使用する場合、缶のまま直接の湯煎もできます。— 株式会社明治「明治ほほえみ らくらくミルク」

そのアタッチメントを使うときは、缶の天面を洗う指示まで数字で決まっています。

らくらくミルクの缶天面(プルタブを含む)を清潔な水でよく(5秒以上)洗い流してください。— 株式会社明治「らくらくミルク アタッチメントの使い方」

アタッチメントは明治とピジョン「母乳実感」の組み合わせで、単体で買うものです(アタッチメントはどこで売っている?)。

雪印ビーンスターク(缶) は、缶のままの湯煎を認めていません。同じ缶なのに明治と逆です。

あたためる場合はやけどに注意し、缶のまま湯煎、直火、電子レンジにかけないでください。— 雪印ビーンスターク「乳児用液体ミルク すこやかM1」
よく振った後、清潔な容器に移してからご使用ください。— 雪印ビーンスターク「乳児用液体ミルク すこやかM1」

アイクレオ(紙パック) も不可です。しかもこちらは理由まで公式に書かれています。

紙パックのまま湯煎しないでください(紙容器断面から水分が浸透して容器が柔らかくなり、中身の衛生性を損なう可能性があるため)。— 江崎グリコ「アイクレオ よくあるご質問」
哺乳瓶に移し替えて、湯煎で温めてください。— 江崎グリコ「アイクレオ よくあるご質問」

森永(パウチ) は、「パウチのまま湯煎するな」とは書いていません。書かれているのは推奨のほうです。

哺乳びんの湯せんを推奨しますが、カイロや服のポケット、腹巻きなどで温めることもできます。— 森永乳業「森永はぐくみ液体ミルク エコらくパウチ」

⚠️ ただし森永も、パウチのまま与えることと、パウチのまま電子レンジにかけることは禁止しています。

パウチのまま与えないでください— 森永乳業「森永はぐくみ液体ミルク エコらくパウチ」

★ まとめると、容器のまま湯煎してよいと公式に書いているのは、明治のアタッチメント装着時だけです。それ以外は、移してから温めます。

電子レンジは4製品とも不可。理由まで書いているのはアイクレオと国の資料

⚠️ 電子レンジは、4製品すべてで禁止されています。 ここだけは全社一致です。

明治は「温める時の禁止事項」として3つを挙げ、その筆頭が電子レンジです(あと2つは「直火による加熱」「缶のままミルクウォーマーでの加熱」)。雪印ビーンスタークも上の引用のとおり。森永は「パウチのまま電子レンジで温めないでください」。

理由を書いているのはアイクレオです。

電子レンジでは温めないでください(加熱が不均衡になり、一部に熱い部分ができ、乳児に火傷を負わす可能性があるため)。— 江崎グリコ「アイクレオ よくあるご質問」

そして同じ理由が、国の資料にもあります。粉ミルク向けのガイドラインですが、表現はもっと強いです。

電子レンジは、加熱が不均衡で、一部に熱い部分(「ホット・スポット」)ができ、乳児の口に火傷を負わす可能性があるので、温め直しには絶対に使用してはいけない。— 厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン(仮訳)」

⚠️ 「見た目は熱くないのに、中に熱い部分ができる」 ——これが電子レンジが禁止される理由です。混ぜて確かめれば大丈夫、という話ではありません。

⚠️ 湯煎のお湯の温度と時間を、数字で示したメーカーはありませんでした

正直に書きます。「何℃のお湯に何分つけるか」を数字で書いているメーカーは、4社の公式ページを開いた範囲では見つけられませんでした。

示されているのは、お湯の温度ではなく、仕上がりの温度です。

体温くらい(40℃程度)の温度になっていることを確認してから赤ちゃんに与えてください。— 株式会社明治「明治ほほえみ らくらくミルク」
衛生的なお湯を使い、温度が上がりすぎないように十分注意し(体温程度まで)てください。缶のまま湯煎した場合は、直ちに使い切ってください。繰り返しのあたためはしないでください。— 株式会社明治「明治ほほえみ らくらくミルク」

森永も同じく、仕上がり側だけを指定しています。

温める場合は、必ず人肌まで冷ましてからご使用ください。— 森永乳業「森永はぐくみ液体ミルク エコらくパウチ」

★ つまり、時計で測るものではなく、温度で判断するものとして設計されています。「40℃程度・人肌」に届いたら止める。それ以上は、どのメーカーも求めていません。

⚠️ なお、明治は火の扱いについて注意を追加しています。「火にかけたままの湯煎はさけてください」——鍋を火にかけっぱなしにしない、という意味です。

お湯がないとき|30〜35℃・2時間・40℃以下

お湯が用意できない場面については、3社が代わりの方法を書いています。数字が出ているのは、ここだけです。

森永(パウチ) は、到達する温度まで書いています。

哺乳びんの湯せんを推奨しますが、未開封の状態でカイロや衣服のポケット、腹巻きなどで温めることもできます。(ポケットや腹巻きの場合、30~35℃程度まで温まります)— 森永乳業 お客さま相談室「「はぐくみ液体ミルク」の温め方を教えてください。」

アイクレオ(紙パック) は、かかる時間を書いています。

また、紙パックのまま、カイロや体温で温めることもできます。(カイロで常温程度にまで温める場合、2時間を目安としてください)— 江崎グリコ「アイクレオ よくあるご質問」

明治(缶) は、上限を書いています。

お湯が準備できない時はカイロ等を使って温める方法や、大人の服の中に入れて温める方法もございます。— 株式会社明治「らくらくミルクの使い方」
40℃以下が目安です。— 株式会社明治「らくらくミルクの使い方」

整理すると、服の中やポケットで30〜35℃程度、カイロで常温程度まで2時間、上限は40℃以下。湯煎の代わりというより「冷たすぎるのを和らげる」手段です。

⚠️ 雪印ビーンスタークについては、カイロ等の代替手段の記載を公式ページで見つけられませんでした。

外出先で使える道具や場所の選び方は、別の記事にまとめています(外出先で缶ミルクを温める方法)。

温めたあと|2時間以内・飲み残しは捨てる・繰り返し温めない

温めたら、そこから先は時間との勝負になります。

明治:「開封したものは、2時間以内にご使用ください。」/缶のまま湯煎した場合は「直ちに使い切ってください。繰り返しのあたためはしないでください。」

雪印ビーンスターク

開缶後は水などで希釈せず、すぐに使用し、飲み残しは与えないでください。— 雪印ビーンスターク「乳児用液体ミルク すこやかM1」

アイクレオ

温めた後や開封後は、すみやかに飲ませてください。— 江崎グリコ「アイクレオ よくあるご質問」
温めすぎや、長時間、複数回に渡っての温め直しはお避けください。— 江崎グリコ「アイクレオ よくあるご質問」

森永:「余ったミルクは保存せず1回で使い切ってください」

⚠️ 4社とも「飲み残しは与えない」で一致しています。 調乳した粉ミルクの2時間ルールと同じ考え方です(作ったミルクは何時間もつ?)。

⚠️ そして缶やパウチのまま口をつけさせないことも、明治・雪印・森永が明記しています。缶の2社は理由まで書いていて、切り口でけがをする危険があるためです。

赤ちゃんが口を切る恐れがあるので、缶のまま与えないでください。— 株式会社明治「らくらくミルクの使い方」
口を切るおそれがあるので、缶のまま与えないでください。— 雪印ビーンスターク「乳児用液体ミルク すこやかM1」

缶のまま飲ませられるのは、専用アタッチメントを付けたときだけです。

この記事のまとめ

  • 温めなくてよい。国のリーフレットが「温め不要でそのまま授乳できます」と書いています
  • 温めるなら共通手順は1つ。清潔な容器に移して湯煎
  • ⚠️ 電子レンジは4製品とも不可。 中に熱い部分ができるためです
  • ⚠️ 缶のまま湯煎は、明治のアタッチメント装着時のみ。 雪印ビーンスタークとアイクレオは容器のまま不可
  • お湯の温度と時間の数字は、どのメーカーも示していません。 仕上がり40℃程度・人肌で止める
  • お湯がないときは服の中で30〜35℃程度、カイロで2時間・40℃以下が目安
  • ⚠️ 温めたら直ちに使い切り、飲み残しは捨てる。 繰り返しの温め直しはしない

この記事について

この記事はイクジヒロバが公開したものです。運営:やすぴ。内容は、株式会社明治・雪印ビーンスターク・江崎グリコ・森永乳業の各公式ページと、消費者庁・こども家庭庁・厚生労働省が公表する資料にもとづき、2026年(令和8年)9月8日時点で記載しています。

⚠️ 表示や使用方法は変わることがあります。温める前に、必ずお手元の製品の表示と公式ページを確認してください。 記事中の「記載なし」は、そのメーカーが許可しているという意味ではなく、公式ページに記載を見つけられなかったという意味です。赤ちゃんの体調や飲み方に不安があるときは、かかりつけの医師・助産師・管理栄養士にご相談ください。運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。

📚 この記事を書くために参考にした情報
消費者庁「乳児用液体ミルクってなに?」(リーフレット) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_special_dietary_uses/assets/food_labeling_cms206_20230927_08.pdf
📚 この記事を書くために参考にした情報
消費者庁「特別用途食品 許可品一覧」(令和8年8月10日更新) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/about/commemorative/assets/food_labeling_cms206_20260813_01.pdf
📚 この記事を書くために参考にした情報
「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月/こども家庭庁ウェブサイト掲載) https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/6790a829-15c7-49d3-9156-9e40e8d9c20c/b0946e59/20230401_policies_boshihoken_junyuu_01.pdf
📚 この記事を書くために参考にした情報
厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン(仮訳)」(世界保健機関/国連食糧農業機関 共同作成・2007年) https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/dl/070604-1b.pdf
📚 この記事を書くために参考にした情報
株式会社明治「らくらくミルクの使い方」 https://www.meiji.co.jp/baby/hohoemi/rakurakumilk/usage/
📚 この記事を書くために参考にした情報
株式会社明治「明治ほほえみ らくらくミルク」 https://www.meiji.co.jp/baby/hohoemi/rakurakumilk/
📚 この記事を書くために参考にした情報
株式会社明治「らくらくミルク アタッチメントの使い方」 https://www.meiji.co.jp/baby/hohoemi/rakurakumilk/attachment/
📚 この記事を書くために参考にした情報
株式会社明治「明治ほほえみ 商品情報」 https://www.meiji.co.jp/baby/hohoemi/product/
📚 この記事を書くために参考にした情報
株式会社明治「明治ステップ」(らくらくミルクはフォローアップミルク) https://www.meiji.co.jp/baby/step/
📚 この記事を書くために参考にした情報
雪印ビーンスターク株式会社「乳児用液体ミルク すこやかM1」 https://www.beanstalksnow.co.jp/babymom/sukoyaka_l/
📚 この記事を書くために参考にした情報
江崎グリコ株式会社「アイクレオ よくあるご質問」 https://cp.glico.com/icreo/faq/
📚 この記事を書くために参考にした情報
江崎グリコ株式会社「アイクレオ 赤ちゃんミルク商品情報」 https://cp.glico.com/icreo/products/akachan-milk/
📚 この記事を書くために参考にした情報
森永乳業株式会社「森永はぐくみ液体ミルク エコらくパウチ」 https://ssl.hagukumi.ne.jp/products/ecorakupouch/
📚 この記事を書くために参考にした情報
森永乳業株式会社 お客さま相談室「「はぐくみ液体ミルク」の温め方を教えてください。」 https://faq.morinagamilk.co.jp/faq_detail.html?id=209&category=&page=1
📚 この記事を書くために参考にした情報
森永乳業株式会社「森永はぐくみ 液体ミルク(5袋入り)」 https://www.morinagamilk.co.jp/products/babyfood/hagukumi/7513.html
タイトルとURLをコピーしました