シングルタイヤは脚1本にタイヤが1つ、ダブルタイヤは2つ。数え方の違いはそれだけです。
段差の乗り越えやすさについて各社が数字を出しているのは、タイヤの本数ではなく車輪の径のほうです。コンビのスゴカルS エッグショック JAは16cmの大型シングルタイヤ、同じコンビのAcbee plusは前輪16cmの大型ダブルタイヤ。どちらも16cmで、片方はシングル、片方はダブルです。
径の幅は、各社の公式ページを見るかぎり15cm〜18cmに収まります。いちばん小さいのがアップリカのラクーナ クッション フリー AFで15cm、いちばん大きいのがピジョンのランフィで対面時前輪Φ180mm(=18cm)。3輪のスムーヴ プレシャス ABだけが22cmで、これは別枠です。
重さも、タイヤの本数では決まりません。ピジョンのビングル BB6(シングル)は3.9kg、アップリカのマジカルエアー フリー AB(ダブル)も3.9kg。コンビではシングルのスゴカルSが5.9kg、ダブルのAcbee plusが3.7kgで、ダブルのほうが2.2kg軽い。ここで効いているのはタイヤではなく、生後1カ月から使うA形か、6〜7カ月からのB形かという本体の設計です。
だから、先に見るのは「シングルかダブルか」ではありません。「車輪の径は何cmか」と「A形かB形か」の2つです。以下、各社の公式ページに出ている径と重さをそのまま並べます。
なお「一輪」「二輪」はシングル・ダブルの言い換えです。数えているのは脚1本あたりのタイヤの数。「三輪ベビーカー」は脚そのものの本数を指すので、数えているものが違います。
結論:違いは「脚1本に1つか2つか」だけ。選ぶときに見るのは径
- シングルタイヤ=脚1本にタイヤ1つ/ダブルタイヤ=脚1本にタイヤ2つ。 定義はこれだけ
- 段差の乗り越えについて各社が根拠に挙げているのは「径」。 2輪タイプの径は15cm〜18cm、3輪は22cm
- 同じ16cmに、シングル(コンビ スゴカルS)とダブル(コンビ Acbee plus)の両方がある。 径と本数は連動しない
- 「ダブルは重い」は成り立たない。 ビングル BB6(シングル)3.9kg、マジカルエアー フリー AB(ダブル)3.9kg。同じ重さ
- 重さを決めているのはA形かB形か。 同じダブルタイヤでも、マール AB(A形)7.3kg と マジカルエアー フリー AB(B形)3.9kg で3.4kgの差
- 静かさ・小回り・振動については、各社とも数値を出していない。 見つからなかったので、この記事でも数字は書きません
一輪・二輪はシングル・ダブルの言い換え。三輪だけは数えているものが違う
お店やクチコミでは「一輪」「二輪」という言い方をされることがあります。シングル・ダブルと同じものを指しています。
| よくある呼び方 | 数え方 | タイヤの総数 |
|---|---|---|
| シングルタイヤ = 一輪 | 脚1本につきタイヤ1つ | 4輪 |
| ダブルタイヤ = 二輪 | 脚1本につきタイヤ2つ | 8輪 |
数えているのは「脚1本あたり」です。ここが分かると、言い方が変わっても迷いません。
ただし、前輪だけがダブルという製品もあります。 コンビのAcbee plusは公式ページで「前輪16cm大型ダブルタイヤ」と、前輪を指定して書いています。「ダブルなら必ず8輪」と決めつけず、気になる製品は仕様表か実物で数えてください。
「三輪ベビーカー」は別の話です。こちらは本体の脚の数を指していて、前が1本・後ろが2本という形。シングルかダブルかとは、数えているものが違います。
メーカー公式の車輪径を並べる(15cm〜22cm・8モデル)
各社の公式ページに載っている径と重さです(2026年9月6日時点)。
| 製品(メーカー) | タイヤ | 公表されている径 | 本体重量 | 使用月齢/体重 |
|---|---|---|---|---|
| ランフィ RB5(ピジョン) | シングル | 対面時前輪Φ180mm(=18cm)/対面時後輪Φ165mm | 5.9kg | 生後1ヵ月〜36ヵ月 |
| ビングル BB6(ピジョン) | シングル | 前輪16.5cm(前輪Φ165mm・後輪Φ140mm) | 3.9kg | 生後6ヵ月〜48ヵ月/18kg以下 |
| スゴカルS エッグショック JA(コンビ) | シングル | 16cm | 5.9kg | 生後1カ月〜36カ月/15kg以下 |
| Acbee plus(コンビ・B形) | ダブル | 前輪16cm | 3.7kg | 生後7カ月〜4才頃/18kgまで |
| マール AB(アップリカ) | ダブル | 15.6cm | 7.3kg | 生後1カ月〜36カ月/15kg以下 |
| ラクーナ クッション フリー AF(アップリカ) | ダブル | 15cm | 5.8kg | 生後1カ月〜36カ月/15kg以下 |
| マジカルエアー フリー AB(アップリカ・B形) | ダブル | 記載なし | 3.9kg | 生後7カ月〜36カ月/15kg以下 |
| スムーヴ プレシャス AB(アップリカ・3輪) | 3輪 | 22cm | 9.2kg | 生後1カ月〜36カ月/15kg以下 |
重量の測り方は製品ごとに条件が違います。ランフィの5.9kgは「ハグットシートを除く」、ビングルの3.9kgは「インナーシート・股ベルトカバーを除く」、マール ABの7.3kgは「インナーシート・頭と腰のサポートパッド・肩ベルトカバーを除く」重さです。カタログの数字を並べて比べるときは、この除外分が入っていないことを頭に置いてください。
この表で分かるのは2つです。2輪タイプの径は15cm〜18cmという狭い範囲に収まっていること。 そして、シングルにもダブルにも、軽いものと重いものの両方があること。
「ダブルは重い」は成り立たない|同じ3.9kgでシングルもダブルもある
「ダブルタイヤは安定するけれど重い」という説明をよく見ます。公式スペックを並べると、そうはなっていません。
- ピジョン ビングル BB6(シングル)=3.9kg
- アップリカ マジカルエアー フリー AB(ダブル)=3.9kg
同じ3.9kgで、片方がシングル、片方がダブルです。
コンビの中で比べると、順序はむしろ逆になります。
- スゴカルS エッグショック JA(シングル・A形)=5.9kg
- Acbee plus(ダブル・B形)=3.7kg
ダブルのほうが2.2kg軽い。同じメーカーで、しかも径はどちらも16cmです。
では何が重さを決めているのか。A形かB形かです。 アップリカのダブルタイヤ同士で比べると、生後1カ月から使えるマール ABが7.3kg、生後7カ月からのマジカルエアー フリー ABが3.9kg。同じダブルタイヤで3.4kgの差が出ます。生後1カ月から使える機種は、寝かせた姿勢を支えるぶん構造が大きくなります。
重さそのものをどう考えるかは重いベビーカーのメリット・デメリットに書いています。
ダブルタイヤのメリットとデメリット
「ベビーカー ダブルタイヤ メリット」で調べている方向けに、ここだけ切り出します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 接地している点が多く、横に傾きにくい | 小回りがききにくい。狭い通路で向きを変えづらい |
| 段差や砂利道でつまずきにくい | タイヤの溝に細かいゴミが挟まりやすい |
| 径が小さめでも接地面を確保できる | 前輪だけダブルの製品もあり、仕様の確認が要る |
ひとことで言えば、ダブルは「接地」、シングルは「小回り」。ただし、上の表のとおり重さは判断材料になりません。 「ダブルだから重い」で候補を外すと、3.7kgのAcbee plusのような機種を見落とします。
段差・砂利道:径が効く部分と、本数が効く部分を分ける
段差について各社が数字を添えて説明しているのは、すべて径です。アップリカはラクーナ クッション フリーの15cmを「大径」として段差の乗り越えと結びつけ、3輪のスムーヴ プレシャス ABでは22cmという径を挙げています。ピジョンのランフィも、シングルタイヤで対面時前輪Φ180mm(18cm)という径を打ち出しています。メーカーが違っても、根拠に置いているのは径です。
本数のほうは、接地している点の数の話です。 脚1本に2つあれば接地点は倍になり、砂利や溝の上でどれかが支える形になります。ただし、これを段差の高さ何cmまで、といった数値で示しているメーカーは見つかりませんでした。
実務的な見方はこうなります。まず径で絞る。 15cmと18cmでは3cm、直径にして2割の差があります。そのうえで、通る道が砂利や芝生ならダブルを見る。 逆に、改札や店内の通路を抜けることが多いなら、径だけ確保してシングルの小回りを取る、という順番です。
静かさ・小回り・振動に、各社が出している数字は無い
この記事を書くにあたって、ピジョン・コンビ・アップリカの公式製品ページを一通り見ました。静音性、振動の伝わりにくさ、小回りの利きやすさについて、シングルとダブルを数値で比べた資料は見つかりませんでした。
書かれているのは「軽快」「スムーズ」「押しやすい」といった言葉までです。何dB静かになる、何%振動が減る、といった数字は、確認した範囲では公表されていません。
なので、この記事でも数字は書きません。ここは店頭で押して確かめる部分です。 できれば、舗装された床だけでなく、店の外の段差や点字ブロックの上でも押させてもらってください。カタログでは差が出ない項目です。
転倒や安定性の話は、ここでは断定しません
「シングルタイヤは倒れやすいのか」は、この記事とは別の問いです。タイヤの本数だけでなく、荷物のかけ方、シートの高さ、重心の位置がまとめて関わります。
⚠️ ひとつだけ確実なのは、使用月齢を下回る月齢では使えないということです。表に挙げたB形の機種は、Acbee plusが生後7カ月から、ビングル BB6が生後6カ月から。首や腰がすわる前の赤ちゃんを乗せる想定で作られていません。
安定性についてはシングルタイヤベビーカーは倒れやすい?にまとめています。
タイヤより先に決まること:A形かB形か、重さ、シート高
タイヤを比べる前に、ここで候補が半分になります。
A形かB形か。 A形は生後1カ月から、B形は生後6〜7カ月から。退院直後から使うならA形しか選べません。詳しくはベビーカーのA型・B型・AB型の違いへ。
シート高。 アップリカのマール ABは56cm、コンビのauto N first IIも56cm。地面の照り返しや埃から距離を取る設計です。数cmの違いですが、乗せ降ろしのたびに屈む深さが変わります。
荷物が入るか。 コンビのauto N first IIはバスケットの容積37L・耐荷重5kg。おむつ・着替え・飲み物を入れる前提なら、ここは先に見ておく項目です。
折りたたんだときの寸法。 マジカルエアー フリー ABは閉じた状態でW458×D333×H947mm、ラクーナ クッション フリー AFはW460×D350×H994mm。玄関や車のトランクに置けるかは、この数字で決まります。
まとめ:確認するのは径・A形/B形・実際に押す、の3つ
1. 径は何cmか。 2輪タイプなら15cm〜18cm、3輪なら22cm。段差についてメーカーが根拠にしているのはここ
2. A形かB形か。 使い始める月齢で決まり、重さもほぼここで決まる。同じダブルタイヤでも3.9kgと7.3kgの差が出る
3. 押してみる。 静かさ・小回り・振動は、どのメーカーも数字を公表していない。店頭で押す以外に比べる方法がない
シングルかダブルかは、この3つを通したあとで見れば足ります。押す人が2人いる家庭では、背の高さで押しやすさが変わるので、ハンドルの高さも含めてそれぞれ試しておくと後で揉めません。
買ったあとに「そこは見ていなかった」となりやすい点はベビーカー選びのよくある失敗理由にまとめています。
この記事について
この記事はイクジヒロバが公開したものです。運営:やすぴ。掲載した径・重量・使用月齢・寸法は、2026年9月6日時点でピジョン・コンビ・アップリカの各公式製品ページに掲載されていた数値です。ベビーカーは年ごとに型番が変わり、同じ製品名でも仕様が改訂されます。購入前に必ず各メーカーの最新ページと現物の仕様表をご確認ください。安全性・安定性についての判断は本記事の範囲を超えます。運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。
ピジョン「ランフィ RB5」 https://pigeon.info/stroller/runfee/
ピジョン「ビングル BB6」 https://pigeon.info/stroller/bingle/
ピジョン ベビーカー製品一覧 https://products.pigeon.co.jp/category/index-56.html
コンビ「スゴカルS エッグショック JA」 https://www.combi.co.jp/store/stroller/sugocals/g/g119353/
コンビ「Acbee plus」 https://www.combi.co.jp/products/stroller/acbee_sp/
コンビ「auto N first II」 https://www.combi.co.jp/store/stroller/auton/g/g119782/
アップリカ「マール AB」 https://www.aprica.jp/products/babycar/detail/reversible_mf/mar_ab/
アップリカ「ラクーナ クッション フリー AF」 https://www.aprica.jp/products/babycar/detail/reversible_lw/luxuna_cushion_free_2026/
アップリカ「マジカルエアー フリー AB」 https://www.aprica.jp/products/babycar/detail/type_b/magical_air_free_ab/
アップリカ「スムーヴ プレシャス AB」 https://www.aprica.jp/products/babycar/detail/3wheel/smooove_precious_ab/



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