結論
⚠️ 「おしゃぶりはいつから使ってよいか」は、こちらで確かめた資料の中には書かれていませんでした。
★ どこまで調べたかを先に書きます。(2026年9月23日時点)
| 確かめた資料 | 開始時期の記載 |
|---|---|
| 小児科と小児歯科の保健検討委員会「おしゃぶりについての考え方」(平成17年1月12日) | 🚨 記載なし(全文2,288字・2ページを読み、「いつから」「開始」「始める」「生後」「新生児」「月齢」はいずれも0回) |
| 日本小児歯科学会 Q&A「産まれてから2歳頃まで」 | 記載なし(やめる時期のみ) |
| 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月) | 🚨 記載なし(全文60ページ・47,644字を読み、「おしゃぶり」は1回だけ。それもWHO/UNICEFの「10のステップ」第9項の引用で、開始時期の定めではありません) |
⚠️ これは「日本のどこにも無い」という意味ではありません。上の3つに無かった、というだけです。
★ 厚生労働省のガイドで「おしゃぶり」が出てくるのは、この1か所だけです。
9 母親に哺乳瓶やその乳首、おしゃぶりの利用やリスクについて助言すること。— 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月)/WHO・ユニセフ「母乳育児がうまくいくための10のステップ」より
⚠️ これは支援する人に向けた項目で、使い始める時期の話ではありません。
- 一方、やめる時期は、はっきり書かれています。
- 検索の上位は「生後3〜4週間以降から」「生後2〜3か月から」と書いていますが、どれも出典がありません。
- ★ だからこの記事は、「◯か月から」と数字で答えません。代わりに、分かっていることを書きます。
| 公的な文書に書かれていること | |
|---|---|
| いつから | ⚠️ 記載なし |
| 常時使用をやめる | 発語やことばを覚える1歳過ぎになったら、フォルダーを外して常時使用しないようにする |
| 完全にやめる | おそくとも2歳半までに中止する |
| やめる準備 | 乳歯の奥歯が生えてくる1歳半頃から(日本小児歯科学会) |
| 相談の目安 | 4歳以降になっても取れない場合は、かかりつけの小児科医に相談 |
「いつから」は、なぜ書かれていないのか
委員会の文書は、おしゃぶりを使うかどうかではなく、噛み合わせへの影響を中心に検討したものです。
だから「いつまで」は細かく書かれているのに、「いつから」は主題に入っていません。
⚠️ この文書がいちばん強く書いているのは、実はこちらです。
おしゃぶりは出来るだけ使用しない方がよいが、もし使用するなら咬合の異常を防ぐために、次の点に留意する。— 小児科と小児歯科の保健検討委員会「おしゃぶりについての考え方」(平成17年1月12日)
★ ただし、この一文だけを取り出すと強すぎます。監修の助産師さくらに、この書き方についても聞きました。
妥当だとは思いますが、必要なシーンに使うようにしましょうみたいな書き方がいいのかなと思います。
授乳が軌道に乗る前に使うことについて
「いつから」に公的な定めがないぶん、ここがいちばん知りたいところだと思います。監修の助産師に聞きました。
母乳メインにしていきたい場合は1ヶ月までかかることもあるので、そういった時に、本当はお腹空いてるはずなのに、おしゃぶりを加えていることによって、それが分からないとかっていうので、頻回授乳ができなかったりとかで、お腹空いてるサインを見逃すのは嫌だなとは思うので、すごい常時使うとか、たくさん、もう授乳とかミルクの間ずっと使うみたいなのは良くないと思うんですけど、やっぱ外出るタイミングとか、ちょっと飲んだはずだけどあまりにもっていう時などには使う分にはいいのかなと思います。
★ ポイントは「使ってよいか」ではなく「常時使うかどうか」です。
⚠️ 検索の上位には「乳頭混乱」「生後3〜4週間以降から」という言葉と数字が出てきます。
さくらさんにも確認しましたが、出典はありません。
だから出典はないけど、乳頭混乱とか、そういうお腹空いたのサインを見逃しちゃうっていう意味で「3、4週間以降から」っていうのは、根拠はないけど、っていうところで書くのもいいのかもなと思いますね。
★ ですので当サイトは、「3〜4週間以降から」を、根拠のある目安としては書きません。
⚠️ ただし、さくらさんが前置きごとそう話していることは、そのままお伝えしておきます。
「根拠のある数字」ではなく「現場の助産師が、理由を添えてそう考えている」として読んでください。
★ 書けるのは「授乳が軌道に乗るまでは、常時使うのは避けたほうがよい」という考え方の部分までです。
泣いたらすぐ使うのは、よくないのか
委員会の文書は、欠点のひとつにこう挙げています。
子どもがどうして泣いているのかを考えないで使用する、あやすのが減る、ことば掛けが減る、ふれあいが減る、発語の機会が減る— 同文書「4.おしゃぶりの利点と欠点」
⚠️ ただ、これを読んで「使っている自分はだめなのか」と感じる必要はありません。使い方の話です。
お腹空いてるのかなとか、おむつかなとか、一応そういう暑いのか寒いのかとかも踏まえた原因を見て、それから使うのがいいのかなと思います。あとはまあ、個人的に日常的にすごい使わせるっていうよりは、あまりに自分がちょっと疲れちゃった時とか、外出た時とか、そういう時の使い方がいいのかなと思っています。
★ 「使わない」ではなく「先に確認してから使う」。そして疲れたときに使うのは、想定された使い方です。
寝かしつけ・寝ているあいだ
おしゃぶりでは窒息しないようになっているとは思うので、寝かしつけに使うのはいいのかなとは思います。寝入った後は癖になっちゃうと思うので、外すのがいいのかなとは思いますけど。ホルダーをつけておくのも、首を絞めるような長さとかじゃなければいいのかなと思います。なんかやっぱ吸ってないと寝れないみたいになるのも困ると思うので、寝たら外した方がいいのかなと個人的には思ってます。
⚠️ ホルダー(クリップ・ひも)の長さの基準は、上の2つの資料には書かれていませんでした。(⚠️ 他の資料にある可能性は残ります)
★ さくらさんの答えも「首を絞めるような長さでなければ」という考え方までです。数字の基準は書けません。
⚠️ なお、委員会の文書は1歳過ぎになったらフォルダーを外すよう書いています。
これは安全のためではなく、常時使用にならないようにするためです。
やめ方
⚠️ ここは、さくらさんも「あんまり詳しくはないので、調べて出てくる推奨のやり方などを書いてもらえばいい」とのことでした。
公的な資料で書けることだけを並べます。
段階は2つあります
① 1歳過ぎ:常時使用をやめる
(1) 発語やことばを覚える1歳過ぎになったら、おしゃぶりのフォルダーを外して、常時使用しないようにする。— 委員会「おしゃぶりについての考え方」
② 1歳半ごろから準備、2歳過ぎまでに完全にやめる
離乳が完了して口の働きが「吸う」ことから「かむ」ことへと移行してくると、おしゃぶりもそろそろ卒業の時期を迎えます。2歳を過ぎて奥歯のかみ合わせができた後もおしゃぶりの使用が続くと、歯ならび・かみ合わせに影響がでやすくなり、また唇の閉じ方や舌の使い方にも問題が生じやすくなります。乳歯の奥歯が生えてくる1歳半頃からやめる準備を始めて、2歳過ぎまでにはやめられるといいですね。— 日本小児歯科学会 Q&A「産まれてから2歳頃まで」
③ おそくとも2歳半まで
(2) おそくとも2歳半までに使用を中止するようにする。— 委員会「おしゃぶりについての考え方」
⚠️ 間に合わなかったときのために、安心できる記述もあります
この傾向は1歳6か月、2歳でも見られるが、止めると噛み合わせの異常は改善しやすい。しかし、乳臼歯が生え揃う2歳半、さらに3歳過ぎまで使用していると噛み合わせの異常が残ってしまう。— 委員会「おしゃぶりについての考え方」
★ 2歳ごろまでにやめられれば、噛み合わせの変化は発育とともに改善されると書かれています。
「もう遅い」ではありません。急ぐべき線は「2歳半から3歳過ぎ」です。
相談の目安
(5) 4歳以降になってもおしゃぶりが取れない場合は、情緒的な面を考慮してかかりつけの小児科医に相談することを勧める。— 委員会「おしゃぶりについての考え方」
⚠️ 宣伝で見かける「鼻呼吸や舌・顎の発達を促す」について
委員会の文書は、はっきり書いています。
おしゃぶりの宣伝に使用されている「鼻呼吸や舌や顎の発達を促進する」は現時点では学問的に検証されていない。— 委員会「おしゃぶりについての考え方」
⚠️ 逆に「愛着形成を阻害する」という意見についても、同じ文書が「学問的根拠はない」としています。
★ 良いほうにも悪いほうにも、根拠のない言われ方をしている道具です。
この記事のまとめ
- ⚠️ 「いつから」は、こちらで確かめた3つの資料には書かれていませんでした(委員会の文書・日本小児歯科学会のQ&A・厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」)。この記事は「生後◯か月から」と書きません
– 🚨 「日本のどこにも無い」という意味ではありません。確かめた3つに無かった、ということです
- やめる時期は書かれています:1歳過ぎに常時使用をやめる/1歳半ごろから準備/2歳過ぎまでに/おそくとも2歳半まで
- 2歳ごろまでにやめられれば、噛み合わせの変化は改善しやすいと書かれています
- 4歳以降も取れないときは、小児科医に相談
- ⚠️ 「鼻呼吸・舌や顎の発達を促す」も「愛着形成を阻害する」も、どちらも学問的根拠がないとされています
- ★ 助産師の考え方:常時使わない。原因を確かめてから使う。疲れたとき・外出時に使うのはよい
📚 この記事を書くために参考にした情報
- 小児科と小児歯科の保健検討委員会「おしゃぶりについての考え方」(平成17年1月12日)https://www.guide.metro.tokyo.lg.jp/trouble/tsume/pdf/06_02.pdf (2026年9月23日確認・全文)
- 日本小児歯科学会「産まれてから2歳頃まで」Q&A https://www.jspd.or.jp/question/2years_old/ (2026年9月23日確認)
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月・全文60ページ)⚠️ 厚生労働省の公開URLは現在404のため、国立国会図書館のインターネット資料収集保存事業(WARP)に保存された版で確認しました https://warp.ndl.go.jp/20260723/20260701131750/https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf (2026年9月23日確認)

