赤ちゃんの体が熱い。体温計を見て、数字を確かめて——それでも、どうすればいいか分かりません。
「何度から病院?」と調べると、たいてい「38℃」と出てきます。でも、それが当てはまらない時期があります。
まず、赤ちゃんの平熱を知っておいてください
数字の話をする前に、前提を揃えます。
赤ちゃんの平熱は、大人より高めです。一般に36.5〜37.5℃。同じ赤ちゃんでも、36.5℃に近い子もいれば、37.5℃に近い子もいます。
そのうえで、目安はこうなります。
| 平熱 | 36.5〜37.5℃(個人差が大きい) |
| 発熱 | 37.5℃以上 |
| 高熱 | 38.5℃以上 |
⚠️ だから「37.2℃あった」だけでは、発熱とは限りません。 その子の平熱が37.2℃なら、いつもどおりです。
元気なときに何度か測って、その子の平熱を知っておくと、いざというときに迷いません。1週間ほど、1日に数回測って平均を出すと分かります。
⚠️ 測り方で、簡単に38℃を超えます
これがいちばん大事なところです。
次のあとに測ると、体温は高く出ます。
- 泣いた直後
- 授乳・ミルクの直後
- 抱っこしていた直後(大人の体温が移ります)
- 厚着していたとき/おくるみに包まれていたとき
とくに生後1か月ごろは、これだけで簡単に38℃を超えます。
なので、こうしてください。
1. 抱っこから下ろして、一人で寝ている状態で
2. 少し時間を置いてから(泣きやんで落ち着くまで待つ)
3. 服を1枚減らす/おくるみをゆるめて、体温がこもらない状態にする
4. そのうえで、もう一度測る
この条件で測っても38℃以上なら、そこから先が「本当の熱」です。
そのうえで:生後3か月未満だけ、線が違います
上の測り方で落ち着かせても熱がある場合の目安です。
| 月齢 | 目安 |
|---|---|
| 生後3か月未満 | 38℃以上 → 夜間・休日でも、まず電話。指示に従って受診 |
| 37.5℃以上 → 機嫌がよくても、かかりつけ医に相談 | |
| 生後3か月以降 | 熱の数字より様子。飲めていて機嫌が保てていれば、翌日の受診でよいことが多い |
生後3か月未満は、それだけで受診の理由になります。 機嫌がよくても、です。
理由は、この時期の赤ちゃんは重い感染症でも症状が出にくいことがあるためです。熱だけが唯一のサインということがあります。
⚠️ 「様子を見る」の判断を、生後3か月未満には当てはめないでください。
どこに電話するか
月齢によって、連絡先が変わります。
- 1か月健診より前 → 出産した産院に電話します。まだかかりつけの小児科がない時期なので、産んだ病院が窓口です
- 1か月健診より後 → かかりつけの小児科へ。夜間や休日で閉まっているときは、地域の夜間・休日診療所、または#8000
⚠️ いきなり受診せず、まず電話してください。連れて行くべきか、行くならどこか、を教えてもらえます。
抱っこのあと、泣いたあと、服が暑いとき——こういうときは、38度以上になることが簡単にあります。
だから私は、静かに寝ているときにもう一度測ってくださいとお伝えしています。授乳で抱っこしていたあとや、食事から時間が経ってよく眠っているとき、という意味です。
それでも熱があるようなら、服を一枚減らす、風通しのいい状態にする。そのうえでまだ続くようなら連絡してください、という順にしています。
3か月未満のご相談でも、まず測り方を確認します。抱っこのあとや服が暑いだけで上がってしまうことがあるからです。
静かに眠っているときに測り直して、服を一枚減らして——それでも熱があるなら、そこは待たずに連絡してください。
この月齢は、迷ったら早いほうがいいです。
生後3か月以降は「数字より様子」
3か月を過ぎたら、見るのは熱の高さではなく全身の状態です。
家で様子を見てよいことが多い
- 熱はあるが、ふだんどおり飲めている
- 機嫌がそこまで悪くない
- 眠れている
38.5℃あっても、この3つが揃っていれば、夜中にあわてて受診しなくてよいことが多いです。
すぐに受診・相談
- 呼びかけへの反応が鈍い/ぐったりしている
- 水分をまったく受け付けない/おしっこの回数が極端に少ない
- 呼吸が苦しそう/ゼーゼーしている
- けいれんを起こした
- 繰り返し吐く/便に血が混じる
- 顔色が悪い、唇の色がおかしい
これらは夜間・休日でも、医療機関か救急相談窓口へ連絡してください。
判断に迷ったときの窓口
- #8000(小児救急電話相談)— 看護師などが相談に応じます
- #7119(救急相談センター)— 地域によって使えます
「こんなことで電話していいのかな」と迷う方が多いのですが、判断に迷うときのための窓口です。
⚠️ そして——迷った時点で、電話していいと考えてください。夜中に一人で抱え込むほうがつらくなります。
どんどん電話して大丈夫です。
それと、県によっては助産師に相談できる電話を用意しているところもあります。月齢が小さいうちは、そういうところも使ってください。
生後3か月ごろまでなら、出産した病院に相談してしまうのも手ですよ。
家でできること
- 水分をこまめに — 母乳・ミルクをいつもどおり。飲めているかが最重要のサイン
- 厚着させすぎない — 熱がこもります。「寒そうだから」と着せすぎない
- 室温は快適な範囲で — 冬なら20〜23℃(赤ちゃんの冬の室温と乾燥対策)
- 無理に下げようとしない — 熱は体が戦っている反応です
解熱剤は、自己判断で使わないでください。 月齢や体重で使えるものが違います。病院で処方されたものを、指示どおりに。
熱の測り方(おさらい)
- わきの下で測るのが一般的です。汗をふいてから、しっかり挟みます
- 泣いた・授乳した・抱っこしていた・厚着していた直後は測らない
- 落ち着いて、服を調整してから測り直す
- その子の平熱を知っておくと、判断しやすくなります
受診するとき、伝えること
- いつから、何度くらいの熱が出ているか
- 飲めているか/おしっこは出ているか
- ほかの症状(咳、鼻水、下痢、嘔吐、発疹)
- 予防接種を最近受けたか → 予防接種のあと熱が出た
- 保育園や家族に、同じ症状の人がいるか
スマホにメモしておくと、あわてずに伝えられます。
よくある質問
Q. 平熱が37.2℃なのですが、発熱の基準は変わりますか?
A. ふだんとの差で見ます。ただし生後3か月未満は、数字で判断してください。
Q. 熱があるのに元気です。受診すべき?
A. 3か月以降で、飲めていて機嫌がよければ、翌日の受診でよいことが多いです。迷えば#8000へ。
Q. 夜中に熱が出ました。朝まで待っていい?
A. 上の「すぐに受診・相談」に当てはまらず、飲めていて眠れているなら、朝の受診で構わないことが多いです。ただし3か月未満は待たないでください。
Q. 解熱剤を使えば下がりますか?
A. 一時的に下がりますが、原因は治りません。使用は病院の指示に従ってください。
まとめ
- 赤ちゃんの平熱は36.5〜37.5℃。37.5℃以上が発熱、38.5℃以上が高熱
- ⚠️ 泣いた・授乳した・抱っこした・厚着の直後は高く出ます。落ち着かせ、服を調整してから測り直す
- その条件で生後3か月未満が38℃以上なら、夜間でもまず電話(1か月健診前は産院、以降はかかりつけ小児科)
- 3か月以降は数字より様子。飲めているか・機嫌はどうか
- ぐったり/飲めない/呼吸が苦しそう/けいれんは、時間帯を問わず受診
- 迷ったら#8000。迷った時点で電話していい
心配で調べている時点で、あなたはちゃんと見ています。判断を一人で抱えなくて大丈夫です。
※この記事は一般的な情報です。個別の判断は、かかりつけ医にご相談ください。
こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」 https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids
この記事について
文=やすぴ(イクジヒロバ 運営者)。医療・安全に関わる部分は、助産師さくらが内容を確認しています。運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。


