赤ちゃんの肌に、ぽつぽつが出てきた。乾いてカサカサしている。
「保湿したほうがいい?」「それとも何もしないほうがいい?」——調べると、逆のことが書いてあったりして、迷ってしまいます。
いま広がっている考え方は、「湿疹が出てから」ではなく「出る前から」というものです。
結論:早い時期から、毎日
- 生後1週間以内から、湿疹が出る前に保湿を始めることがすすめられています
- 「保湿でアトピーを防げる」とまでは言えません。初期の研究では発症が減ったとされましたが、その後の大規模な試験では予防効果が確認されませんでした
- それでも早くから続ける理由は、肌が荒れた状態を放置しないためです。荒れた肌からはアレルギーの原因になるものが入りやすいと考えられています
- お風呂のあと、乾く前に塗るのが基本
- ただしかゆみや炎症があるときは、保湿だけでは足りません。治療が必要なので受診してください
「保湿はしないほうがいい」という話を見かけることがありますが、肌をいい状態に保っておくという考え方が、いまは主流です。
保湿は塗りたくったほうがいいとお伝えしています。少しベタベタすぎるくらいでいいですよ。
「しないほうがいい」と聞いてこられる方には、肌が元気な状態を保つことが大事だと説明しています。肌が荒れていると、そこからアレルギーの原因になるものが入ってきやすいと言われているからです。
なぜ「出る前から」なのか
赤ちゃんの肌は、大人よりずっと薄く、水分を保つ力が弱い状態です。
肌のバリアが弱いと、乾燥するだけでなく、外からの刺激やアレルギーの原因になるものが入りやすくなると考えられています。だから荒れる前に整えておく、という考え方です。
ここは研究が進んでいる分野で、個々の赤ちゃんに何が最適かは、医師の判断が必要です。この記事は一般的な考え方の紹介として読んでください。
いいと思います。
いつ塗るか
お風呂・沐浴のあとが基本です。
洗ったあとの肌は、水分が抜けやすい状態になっています。乾く前に、なるべく早く塗ってください。タオルで押さえるように水気を取ったら、そのまま塗る流れが理想です。
朝と夜の2回塗る、という案内もよく見かけます。とくに冬は、1回では足りないことがあります。
どれくらい塗るか
「ベタベタするくらい」とすすめられることがあります。少なすぎると効果が薄いためです。
目安として言われるのは、塗ったところにティッシュが軽くつく程度。実際にやってみると、思ったより多いと感じるはずです。
- 顔・首のしわ・耳の後ろは忘れやすい場所です
- 手足の関節の内側も乾きやすい
- おむつまわりは、別の対処が必要なことがあるので、荒れているなら受診を
さきほども言いましたが、やや塗りすぎくらいで大丈夫です。
お風呂あとの1回で足りなければ、朝など時間が離れたところでもう一度塗ってあげてください。
それと、離乳食が始まると口のまわりが荒れやすくなります。先にワセリンを塗っておいて、はじかせるといいですよ。
冬はとくに乾きます
暖房を使うと空気が乾き、肌からも水分が抜けます。
- 室温は20〜23℃、湿度は40〜60%が目安 → 赤ちゃんの冬の室温と乾燥対策
- お湯の温度を上げすぎない(熱いお湯は皮脂を落としすぎます)
- 洗いすぎない。石けんは1日1回で足りることが多いです
冬に湿疹が悪化する子は少なくありません。「保湿しているのに良くならない」ときは、保湿だけでは足りていない可能性があります。
こういうときは受診を
保湿でどうにかしようとせず、病院に相談してください。
- かゆがっている/かきむしっている
- じゅくじゅくしている/汁が出ている
- 赤みが強い/広がっている
- 保湿を続けても、1〜2週間で良くならない
- 眠れないほど気にしている
かゆみや炎症があるときは、炎症を抑える治療が必要です。保湿はその土台であって、治療の代わりにはなりません。
小児科と皮膚科、どちらへ?
- まずは小児科で構いません。軽いものは対応してもらえます
- 長引く/広がる/治療しても良くならないときは、皮膚科のほうが専門です
- 迷ったら小児科で相談し、必要なら紹介してもらうのが確実です
肌のトラブルで心配なら、基本的には皮膚科でいいと思います。
ただ、手足口病や水ぼうそうのように、感染症で皮膚に症状が出ているものなら小児科です。そこが分かれ目ですね。
保湿剤はどう選ぶ?
病院で処方してもらえます。 まずはそれが確実です。
市販のものを使う場合は、赤ちゃん用として売られているもので構いませんが、合わないこともあります。赤みやかゆみが出たら、使用をやめて相談してください。
選ぶときの目安は、香料です。 無香料か、香料の少ないベビー用のものを選んでください。銘柄よりも、そこを見るほうが確実です。
⚠️ ワセリンは、保湿には向いていません。蓋をしてしまうような働きなので、うるおいを与えるものとは役割が違います。
選ぶなら、無香料か、香料の少ないベビー用のものにしてください。それで十分です。
「どれがおすすめですか」も聞いてみました。返ってきたのは 「特にはない」という答えでした。銘柄で決めるものではない、ということだと思います。
おすすめの保湿剤は特にはないですけど、やっぱりみんなピジョンとかアロベビーとか、そういうのを使ってる人が多いかなと思います。セタフィルのやつとかもいいって言いますけどね。
ワセリンは保湿として塗るというよりは、保湿した後に蓋をするようなポジションで使ったり、水をはじくようなところで使ったりします。お風呂の後にワセリンだけを塗りたくるよりは、ローションやクリームを塗ったほうがいいと思います。
これは「この3つを買いましょう」という話ではありません。さくらさんはおすすめは特にないと答えたうえで、よく名前が挙がるものとして挙げられただけです。★選ぶ基準は、あくまで「無香料か、香料が少ないベビー用か」のほうです。
この記事で紹介している商品も、さくらさんが挙げたものではありません。無香料であることとレビュー数を目安に、こちらで選んだものです。迷ったら、病院で処方してもらうのがいちばん確実です。
なおワセリンは、全身の保湿剤としては向きません。ただし離乳食のときに口のまわりを守るなど、用途を分ければ役に立ちます。種類による違いはピュアレーンとワセリンの違いにまとめています。
よくある質問
Q. 湿疹が出ていなくても塗るのですか?
A. はい。出る前から塗ることがすすめられています。
Q. 保湿すると、かえって湿疹になりませんか?
A. 合わない製品で刺激になることはあります。赤みやかゆみが出たら中止して相談を。
Q. 顔にも塗っていいですか?
A. 塗って構いません。ただし目や口のまわりは、なめてしまうことも考えて、製品の表示を確認してください。
Q. どのくらい続けますか?
A. 乾燥しやすい時期は続けるのが基本です。やめる時期は医師に相談してください。
まとめ
- 保湿は湿疹が出る前から。生後1週間以内に始めることがすすめられています
- お風呂のあと、乾く前に。冬は朝晩2回でも
- 量はティッシュが軽くつく程度。思ったより多め
- かゆみ・じゅくじゅく・広がるときは、保湿では足りません。受診を
- 迷ったらまず小児科。長引くなら皮膚科へ
※この記事は一般的な情報です。個別の判断は、かかりつけ医にご相談ください。
この記事について
文=やすぴ(イクジヒロバ 運営者)。医療・安全に関わる部分は、助産師さくらが内容を確認しています。運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。


