保育園が決まって、次に出てくるのが「慣らし保育」です。復帰日を会社に伝えなければいけないのに、何日かかるのかが分からない。調べると「1〜2週間が一般的」と出てくるけれど、確信が持てない。
先に結論を書きます。⚠️ その数字には全国共通の根拠がありません。 この記事では日数を言い当てる代わりに、あなたの園の日数を自分で確定させる手順を書きます。園がまだ決まっていない方は保活はいつから?もどうぞ。
結論:先に決めておくべきこと
★慣らし保育の日数を決めた法律はない——決めるのは園
児童福祉法にも、保育の内容を国が定めた保育所保育指針にも、「慣らし保育」という言葉そのものが出てきません。どちらも全文を検索して確認しましたが、⚠️ 該当はゼロでした。
つまり期間を決めているのは国ではなく、一つひとつの園です。「◯日が一般的」という数字は、どこかの園や自治体の運用が伝わっていったもので、⚠️ あなたの園に当てはまる保証はありません。
だから「復帰日を園に合わせて決める」順番になる
1. 園の進め方を確認する(何日かけるのか、1日目は何時間か)
2. 延びる可能性を確認する(延びたときどうなるか)
3. そのうえで復帰日と、休みの取り方を決める
⚠️ 「復帰日を先に決めて園に合わせてもらう」は逆で、うまくいきません。決めるのは園だからです。これは誰にでも起きることで、対処には順番があります。
慣らし保育とは何か
短い時間から少しずつ延ばしていく期間のこと
高知市は公式ページで次のように説明しています。
「慣らし保育」とは、お子さんが新しい環境に無理なく慣れていくために、短い時間からのお預かりにご協力いただく期間です。— 高知市「慣らし保育について」
初日は1〜2時間、次は給食まで、その次はお昼寝まで——と預かる時間を段階的に延ばす進め方が広く行われています。
⚠️ 法令に定義や日数の定めはない
こうした説明は自治体や園が独自に書いたもので、⚠️ 国の法令には慣らし保育の定義も日数の定めもありません。 ここから2つのことが言えます。
- 園ごとに中身が違って当然です。日数も、時間の延ばし方も違います
- ⚠️ 慣らし保育を実施しない園もあります。 すべての園が必ずやるものだと思って予定を組まないでください
保育所保育指針が求めていること
言葉はなくても、指針には入園したばかりの子どもへの配慮を求める記述があります。
子どもの入所時の保育に当たっては、できるだけ個別的に対応し、子どもが安定感を得て、次第に保育所の生活になじんでいくようにするとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないようにすること。— 保育所保育指針(厚生労働省告示第117号)
★「できるだけ個別的に」「次第に」とだけ書かれ、日数はありません。園が一人ひとりの様子を見て決める立て付けです。
いつから始まるのか
入園日から始まるのが一般的
多くの自治体の案内では、入園初日からしばらくが慣らし保育の期間、という書き方です。静岡市は、入園日から希望どおりの時間で預かれるかという質問にこう答えています。
期間や方法は施設によって違いはありますが、入園後おおよそ2週間程度(1カ月以上伸びる場合もあります)、保育時間を短縮してお子さんをお預かりします。— 静岡市「入園申込み等におけるよくある質問」
⚠️ これは静岡市の案内であって、全国の基準ではありません。 あなたの園が何日かは、この数字からは分かりません。
育休中に始めるか、復帰後に始めるか
入園日と復帰日をずらせば、育休中に慣らし保育を進められます。ただし⚠️ 育休中に入園できるか、いつまでに復職しなければならないかは自治体のルールです。静岡市は、復帰(就労開始)予定日が変わる場合は就労証明書の再提出が必要になることがあると案内しています。
復職の期限も書類の締切も自治体で違います。入所案内(しおり)を読み、分からなければ市区町村の保育担当課に確認してください。
何日くらいかかるのか
⚠️ 園によって違う——だから確認する
⚠️ 日数はこの記事では答えられません。 国の基準がなく園が決めている以上、答えると嘘になるからです。代わりに、確定させる手順を書きます。
★自分の園の日数を確定させる方法
① どこに書いてあるか
認可保育所などが従う内閣府令は、園が運営規程を定め、そこに次の事項を含めることを義務づけています。
特定教育・保育施設の利用の開始、終了に関する事項及び利用に当たっての留意事項— 特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準 第20条第7号
同じ府令は、利用開始にあたって重要事項を記した文書を交付して説明すること、園の見やすい場所に掲示し、インターネットでも公開することも義務づけています。
★つまり読むべき紙は「重要事項説明書」または「入園のしおり」で、⚠️ 説明会の前に園のウェブサイトでも見られる可能性が高い、ということです。日数まであるとは限りませんが、開所時間や利用開始時の留意事項は載っています。まずここを開いてください。
② 誰に、いつ聞くか
| 聞くこと | 相手 | タイミング |
|---|---|---|
| 慣らし保育の有無・進め方・目安の日数 | 入園予定の園(園長・主任) | 内定通知が届いた直後 |
| 1日目・2日目は何時間か、給食とお昼寝はいつからか | 園(説明会・個別面談) | 説明会の場で |
| 延びた場合どうなるか | 園 | 同上 |
| 復職の期限、就労証明書の締切 | 市区町村の保育担当課 | 内定後すぐ |
| 育休終了日を変えられるか、締切はいつか | 勤務先の人事・上司 | 園と自治体を確認したあと |
③ 聞き方のコツ
⚠️ 「何日ですか」だけだと「お子さんによります」で終わりがちです。★「初日は何時間ですか」「一番長くかかったお子さんでどのくらいでしたか」と、時間と実例で聞くと具体的な答えが返ってきやすくなります。
延びることがある前提で組む
静岡市の案内にも「1カ月以上伸びる場合もあります」とあるとおり、⚠️ 予定どおり終わらないことがあります。 延ばすかどうかを決めるのも園です。
だから復帰日は目安ちょうどではなく、後ろに余裕を見て決める。余裕が取れないなら、その前提で次の章の手段を組み合わせます。
仕事はどうするか
復帰日を決める前に確認する3つのこと
1. 園:慣らし保育の進め方と、延びたときの扱い
2. 自治体:いつまでに復職しなければならないか、就労証明書の締切
3. 勤務先:育休終了日を変えられるか、その申出期限はいつか
⚠️ この3つが揃ってはじめて復帰日を決められます。1つでも欠けたまま確定させると、後からやり直しになります。
育児休業の終了日は変更できるのか
育児・介護休業法には、次の定めがあります。
育児休業申出をした労働者は、厚生労働省令で定める日までにその事業主に申し出ることにより、当該育児休業申出に係る育児休業終了予定日を一回に限り当該育児休業終了予定日とされた日後の日に変更することができる。— 育児・介護休業法 第7条第3項
読み解くと、こうなります。
- 延ばす方向(後ろにずらす)は、1回に限り申し出ることができると法律に書かれています。厚生労働省は申出の期限を、休業終了予定日の1か月前まで(1歳以降の育児休業については2週間前まで)と説明しています
- ⚠️ 早める方向(前倒しして早く復帰する)は、この条文にありません。 できるかどうかは勤務先の就業規則や労使協定によります。⚠️ 決めつけず、必ず勤務先に確認してください
期間が変わると育児休業給付金にも関わります。手続きの窓口と締切もあわせて勤務先に確認を。
有給・時差出勤・時短のどれを使うか
短い預かり時間をどうしのぐかは、選択肢の組み合わせです。⚠️ どれが正解かは職場の制度と家庭の事情次第です。
- 年次有給休暇:日単位で調整しやすい。時間単位で取れるかは勤務先の労使協定次第
- 時差出勤・フレックス:お迎えに合わせて勤務時間をずらす。制度があるかは勤務先次第
- 短時間勤務(時短):その後も見据えるなら候補になります → 時短勤務にすると、将来の年金が減ります
- 在宅勤務:短い日を吸収しやすい一方、子どもを見ながらの勤務は前提にしにくいので、扱いを職場と確認しておく
勤務先で使える制度を一覧にして、園の予定と突き合わせるところから始めてください。決めるのはあなたです。
⚠️ 預け先が回らない日のために
この期間は、お迎えが早い日と急に呼び出される日が重なります。あらかじめ考えておきたい点です。
- お迎えに行ける人を2人以上用意し、園に届け出る連絡先もその人数分にしておく
- 園から連絡が来たとき、誰が最初に電話を取るかを家庭内で決めておく
- ⚠️ 早退や中抜けが起こりうる期間を、勤務先に先に伝えておく
高知市も公式ページでこう書いています。
保護者の皆さんにできることとして、職場に前もって伝えておくことが大切です。— 高知市「慣らし保育について」
- 病児保育や一時預かりなど地域の預け先は、★登録手続きだけ先に済ませておく(登録に日数がかかることがあります)。⚠️ 利用条件は自治体・施設で違うので事前に確認を
慣らし保育の間によくあること
- 朝の別れぎわに泣く。 帰りは機嫌よく遊んでいた、という話も園からよく聞きます
- 園では食べない・眠らない日がある。 家での様子と違うことがあります
- 予定より早くお迎えの連絡が来る日がある
- 家に帰ると甘えが強くなる
いずれも、その日の様子を園と共有することが出発点です。連絡帳や送迎時に家での食事・睡眠・機嫌を伝えると、園も時間の延ばし方を調整しやすくなります。⚠️ 気になる様子は自己判断で意味づけせず、まず園に相談してください。
よくある質問
Q. 慣らし保育を短くしてもらえますか。
A. 園と自治体に相談する話になります。静岡市は「やむを得ず、慣らし保育期間の短縮を希望する場合は、就労先や入園内定施設に事前によく相談してください」と案内しています。
Q. 慣らし保育がない園もありますか。
A. あります。法令上の義務ではないため、実施の有無も進め方も園次第です。⚠️ 「どこもやるもの」と思わず、入園予定の園に確認してください。
Q. 育休中でも通わせられますか。
A. ⚠️ 自治体と園の運用によります。入園の条件や復職の期限が関わるので、市区町村の保育担当課に確認してください。
Q. 上の子が同じ園なら短くなりますか。
A. 園の判断です。決まりはないので、園に直接聞いてください。
この記事のまとめ
- ⚠️ 慣らし保育の日数を定めた法令はありません。 児童福祉法にも保育所保育指針にも言葉自体がありません
- 指針が求めているのは日数ではなく「入所時はできるだけ個別的に対応し、次第になじんでいくように」という配慮です。園ごとに違うのは自然なことです
- ⚠️ 「◯日が一般的」に全国共通の根拠はありません。 自治体の案内は、その自治体の例として読んでください
- ★確定させる順番は①園の進め方 →②自治体の復職期限 →③勤務先の制度 →④復帰日。園の情報は重要事項説明書・入園のしおりにあり、ウェブでも公開されています
- 育児休業の終了日は、法律上は「1回に限り、後の日に」変更できます。⚠️ 早める方向は条文になく、勤務先の規程次第です
出産後の手続きは出産後にやる手続き全リストにまとめています。
この記事について
この記事はイクジヒロバが公開したものです。運営:やすぴ。内容は児童福祉法・育児介護休業法・保育所保育指針・内閣府令および自治体の公表情報にもとづいて記載しています。⚠️ 慣らし保育の日数・進め方は園ごとに、復職の期限は自治体ごとに異なります。 必ず入園予定の園とお住まいの市区町村にご確認ください。運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。
保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00010450&dataType=0&pageNo=1
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000076
高知市「慣らし保育について」 https://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/34/narasihoiku.html


