育休を取ると、社会保険料が免除されます。これは知られています。
⚠️ 知られていないのは、「免除されない取り方がある」ほうです。
同じ2週間の育休でも、取る日をずらすだけで、免除される月とされない月に分かれます。 差は数万円になることもあります。
そして⚠️ この手続きは、自分では出せません。
結論:知らないと失うもの
- ⚠️ 免除の基本は「月末に育休中かどうか」。⚠️ 月末を外すと、その月は免除されません
- ★ 月末を外しても、同じ月に14日以上取っていれば免除されます(令和4年10月から)
- ⚠️ 13日では免除されません。1日足りないだけで、ひと月分が消えます
- ⚠️ ボーナスの保険料は別ルール。⚠️ 月末を含んで「連続1か月超」でないと免除されません
- ⚠️ 申し出るのは会社です。本人は出せません。⚠️ 会社が出し忘れると、免除されません
- ★ 免除された期間も、⚠️ 将来の年金は減りません
まず、免除の基本
⚠️ 原則は「月末」です。
これまでの保険料免除要件(育児休業等を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月まで)— 厚生労働省・日本年金機構リーフレット(令和4年10月改正)
読みにくい書き方ですが、意味は単純です。⚠️ その月の末日に育休中なら、その月は免除される。
だから⚠️ 10月10日から10月25日までの育休は、10月分が免除されません。 月末に復帰しているからです。
★14日ルール——ここで救われる人がいます
令和4年10月から、月末を外しても免除される道ができました。
育児休業等を開始した日の属する月内に、14日以上(休業期間中に就業予定日がある場合は、当該就業日を除く。また、土日等の休日も期間に含む。)の育児休業等を取得した場合も、当該月の月額保険料が免除されます— 厚生労働省・日本年金機構リーフレット
⚠️ ここに落とし穴が2つあります。
① 13日では免除されません
14日「以上」です。⚠️ 1日足りないだけで、その月の免除はゼロになります。
② 就業予定日は数に入りません
育休中に何日か働く予定を入れている場合、⚠️ その日は14日から差し引かれます。
⚠️ 「2週間取るから大丈夫」と思っていて、間に1日出社を入れたために13日になる——これが起きます。
なお⚠️ 土日祝は日数に入ります。 ここは有利に働きます。
⚠️ ボーナスは、まったく別のルールです
ここを同じだと思っている方が多いところです。
賞与保険料は、賞与を支払った月の末日を含んだ連続した1か月を超える育児休業等を取得した場合に免除されます。1か月を超えるかは暦日で判断し、土日等の休日も期間に含みます— 厚生労働省・日本年金機構リーフレット
つまりボーナス月は、14日ルールが使えません。
| 月々の保険料 | ⚠️ ボーナスの保険料 | |
|---|---|---|
| 月末に育休中 | 免除 | ⚠️ それだけでは免除されない |
| 同じ月に14日以上 | ★ 免除 | ⚠️ 対象外 |
| 月末を含む連続1か月超 | 免除 | ★ 免除 |
⚠️ ボーナス月に2週間だけ育休を取っても、賞与の保険料は免除されません。 月々の保険料は免除されるのに、賞与は取られる。この違いが一番わかりにくいところです。
⚠️ 「1か月を超える」なので、ちょうど1か月では足りません。
⚠️ 自分では出せません
これが、この制度でいちばん見落とされる点です。
事業主が申し出を行います— 日本年金機構
書類は「育児休業等取得者申出書」(産休は「産前産後休業取得者申出書」)。⚠️ 本人が年金事務所に持って行っても受け付けてもらえません。
⚠️ 会社が出し忘れれば、免除されないまま給与から引かれ続けます。
小さい会社や、育休の前例が少ない職場では起こりえます。⚠️ 育休に入ったら、給与明細で社会保険料が引かれていないかを一度見てください。 引かれていたら、手続きが出ていない可能性があります。
★免除されても、年金は減りません
「払っていない期間は、将来の年金が減るのでは」と思いますよね。
減りません。
この免除期間は、将来、被保険者の年金額を計算する際は、保険料を納めた期間として扱われます— 日本年金機構
⚠️ 払わずに、払ったことにしてもらえるという、かなり強い制度です。だからこそ、取りこぼすと損が大きい。
⚠️ なお、復帰後の時短で給料が下がった期間は、これとは別の手続きが要ります。 そちらは放っておくと年金が減ります。→ 時短勤務にすると、将来の年金が減ります
産休のほうは、どうなるか
産前産後休業も、同じように免除されます。
⚠️ ただし14日ルールはありません。(産休の説明に14日の記載はありません)
対象は出産日以前42日(多胎の場合は98日)から、出産日後56日までの間で、休業した期間です。
こちらも申し出るのは会社です。産休中のお金は出産手当金はいくら?にまとめています。
具体的に、どう取ればいいか
⚠️ 日程を決める前に、この順で確認してください。
1. 月末を含められるか。 含められるなら、それが一番確実です
2. 含められないなら、⚠️ 同じ月に14日以上になるか。就業予定日を引いて数える
3. ⚠️ ボーナス月にかかるか。かかるなら、月末を含む連続1か月超にできないか
4. 会社に⚠️ 「育児休業等取得者申出書」を出してもらう
⚠️ 1日ずらすだけで結果が変わるので、日程を会社に伝える前に数えてください。
父親の短い育休については産後パパ育休は「手取り10割」になる?も合わせてご覧ください。⚠️ 28日の使い方は、給付金と保険料の両方に効いてきます。
よくある質問
Q. 10月10日〜10月24日の15日間なら免除されますか?
A. ⚠️ 月末は外れますが、同じ月に15日あるので14日以上を満たします。間に就業予定日がなければ、10月分の月額保険料は免除されます。
Q. その月にボーナスが出ます。賞与の保険料も免除されますか?
A. ⚠️ されません。賞与は「月末を含む連続1か月超」が必要です。15日では足りません。
Q. 土日を含めて数えていいのですか?
A. ⚠️ 含めて数えます。リーフレットに「土日等の休日も期間に含む」と明記されています。
Q. 育休中に1日だけ出社しました。
A. ⚠️ その日は14日から差し引かれます。14日ギリギリで組んでいる場合は注意してください。
Q. 会社が手続きをしてくれているか確認できますか?
A. ⚠️ 給与明細を見てください。育休中の月に健康保険料・厚生年金保険料が引かれていたら、申出書が出ていない可能性があります。会社に確認を。
Q. 免除された分、将来の年金は減りますか?
A. 減りません。保険料を納めた期間として扱われます。
まとめ
- ⚠️ 基本は月末に育休中かどうか。月末を外すと、その月は免除されません
- ★ 月末を外しても、⚠️ 同じ月に14日以上なら免除されます。⚠️ 就業予定日は差し引く/土日は含む
- ⚠️ ボーナスは別ルール。月末を含む「連続1か月超」でないと免除されません
- ⚠️ 申し出るのは会社。本人は出せません。⚠️ 給与明細で引かれていないか確かめてください
- ★ 免除されても、⚠️ 将来の年金は減りません(納めた期間として扱われます)
- ⚠️ 復帰後の時短で給料が下がったときは、別の手続きが必要です
育休をいつからいつまで取るかは、休みの長さだけの話ではありません。 ⚠️ お金の話でもあります。
⚠️ 日程を会社に伝える前に、カレンダーで数えてください。 1日の違いが、そのまま手取りに出ます。
出産前後の手続き全体は出産後の手続き全リストに、育休中の給付は育児休業給付金はいくら?にまとめています。
この記事について
この記事はイクジヒロバが公開したものです。運営:やすぴ。制度の内容は厚生労働省および日本年金機構の公表資料をもとに記載しています。⚠️ 個別の適用可否は、お勤め先または年金事務所にご確認ください。 運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。
厚生労働省・日本年金機構「育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が見直されます」(令和4年10月改正リーフレット) https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2022/0729.files/ikukyu-chirashi.pdf
日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」(2024年8月9日更新) https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/20140122-01.html


