産後ケアは誰が使える?泊まる・通う・来てもらうの違いと、産む前にやっておくといいこと

相談室で助産師に相談する母親。テーブルに母子健康手帳とお茶 手続き・お金
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「産後ケア」という言葉は聞くけれど、誰が、どこで、いくらで使えるのかが分かりにくい。

産んでから調べようと思っていると、⚠️ そのころには調べる余力がありません。

産む前に、一度だけ見ておけば足ります。 この記事はそのためのものです。

結論

  • 市町村がやっている事業です。⚠️ 病院のサービスではありません
  • 対象は⚠️ 出産後1年を経過しない母親と赤ちゃん
  • 使い方は3つ。泊まる/通う/来てもらう
  • ⚠️ 助産師などの看護職が中心。出産後4か月頃までは原則、助産師が中心です
  • ★ ⚠️ 里帰り先でも使える場合があります
  • ★ ⚠️ 流産・死産を経験された方も対象に含まれます
  • ⚠️ 利用料は自治体によって違います。所得に応じた減免に努める決まりです

どういう事業か

母子保健法という法律に、市町村がやるものとして書かれています。

市町村は、出産後一年を経過しない女子及び乳児の心身の状態に応じた保健指導、療養に伴う世話又は育児に関する指導、相談その他の援助(産後ケア)を必要とする…者につき、次の各号のいずれかに掲げる事業を行うよう努めなければならない— 母子保健法 第17条の2第1項

⚠️ 「努めなければならない」なので、やっていない市町村もありえます。ただし全国に広がってきている事業です。

国のガイドラインでは、中身がこう説明されています。

母親への身体的ケア、適切な授乳が実施できるためのケア(乳房のケアを含む)、心理的ケア、育児の手技についての具体的な指導及び相談、家族等の身近な支援者との関係調整、地域で育児をしていく上で必要な社会的資源の紹介等を行う— こども家庭庁「産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)

⚠️ 「休ませてもらう」だけではありません。 授乳のこと、体のこと、育児のやり方の相談まで含まれます。

3つの使い方

どういうもの向いている場面
短期入所(ショートステイ)⚠️ 泊まる。助産所や病院などに数日まとまって眠りたい。夜がいちばんつらい
通所(デイサービス)日中だけ通う日帰りで相談したい。泊まりは気が引ける
居宅訪問(アウトリーチ)⚠️ 来てもらう外に出るのがしんどい。上の子がいて動けない

⚠️ 上の子がいると「泊まりは無理」となりがちですが、来てもらう形があります。ここを知らずに諦める方が多いところです。

なお短期入所について、ガイドラインは⚠️ 分娩施設での延長入院(産褥入院)とは区別するとしています。産院に長く入院することとは別の制度です。

誰が見てくれるのか

ここが分かると、頼みやすくなると思います。

助産師、保健師又は看護師のいずれかを常に1名以上置くこと。特に、出産後4か月頃までの時期は、母子に対する専門的ケア(乳房ケアを含む。)を行うことから、原則、助産師を中心とした実施体制での対応とする— こども家庭庁「産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)

⚠️ 専門職が見ます。 「素人に預ける」という話ではありません。

★あまり知られていない2つ

⚠️ 里帰り中でも使えることがあります

「住民票のある市町村の事業だから、里帰り先では無理」と思われがちです。⚠️ そうとは限りません。

里帰りをしている者であっても、支援を必要としている者がいることから、里帰り先の市町村においても、産後ケア事業を必要とする方を把握した場合や、住所地の市町村から里帰り先の市町村に産後ケア事業の提供依頼があった場合は、産後ケア事業の対象者として対応することが望ましい— こども家庭庁「産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)

⚠️ 自治体どうしの相談が要るので、里帰りを決めた時点で、住民票のある市区町村に伝えておくとスムーズです。

⚠️ 流産・死産を経験された方も対象です

ガイドラインに、はっきり書かれています。

産後ケア事業は、流産や死産等を経験した女性も対象に含まれる。ただし、流産・死産等を経験した女性は、乳児と同じ場でのケア等に精神的負荷を感じるという指摘もあるため、産後ケア事業の実施に当たっては、居宅訪問(アウトリーチ)型を活用す(る)— こども家庭庁「産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)

⚠️ 赤ちゃんがいないと使えない、ということはありません。 ⚠️ 来てもらう形を選べることも、あわせて書かれています。

お金のこと

産後ケア事業については、短期入所型、通所型、居宅訪問型とも、利用者からサービスに係る利用料を徴収することができる。ただし、産後ケア事業を利用しやすい環境を整える観点から、すべての利用者を対象に、利用者が属する世帯の所得の状況(住民税非課税かそれ以外か等)に応じた利用料の減免措置を講じるよう努めること— こども家庭庁「産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)

つまり、⚠️ 無料ではありませんが、所得に応じて安くする努力義務があります。

⚠️ 金額・使える回数・対象の期間は自治体ごとに違います。 ここは調べないと分かりません。市区町村のページで「産後ケア」と探してください。

なお、⚠️ アロマなどのオプションは別料金になることがあります。ガイドラインでも「本人の希望に応じて提供されるもの」として、費用を分かりやすく示すよう求めています。

申し込み

市町村は、本人又は家族の利用申し込みを受け、実施場所と日時を調整し本人に伝える— こども家庭庁「産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)

⚠️ 家族が申し込んでも構いません。 本人が動けないときは、パートナーや家族が代わりに連絡してください。

手続きの負担についても、こう書かれています。

利用申し込みの受付に当たっては、手続き等が利用者の負担とならないよう、電話やオンライン等での受付を行う等、配慮すること— こども家庭庁「産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)

⚠️ 窓口へ行かないと申し込めない、とは限りません。 まず電話で聞いてみてください。

★声をかけられても、気にしないでください

これは知っておくと気が楽になると思います。

こども家庭センターや産婦健康診査での相談等により、アセスメントを踏まえ、支援が必要と認められる場合には、本人の利用希望を待たず、市町村の担当者からも積極的に産後ケア事業の利用を勧奨することが望ましい— こども家庭庁「産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)

⚠️ 自治体から勧められるのは、そういう仕組みだからです。「そんなに大変そうに見えたのか」と受け取らなくて大丈夫です。

産む前にやっておくといいこと

多くありません。ひとつだけです。

⚠️ お住まいの市区町村のページで「産後ケア」を見て、①やっているか ②申し込み方法 ③だいたいの費用 の3つを確認しておく。

これだけで、産後に「調べる」という作業が消えます。⚠️ 産後は、その調べる時間がいちばん取れません。

里帰りをするなら、⚠️ 住民票のある市区町村に、里帰り先も伝えておいてください。

よくある質問

Q. 上の子がいます。連れて行けますか。

A. ⚠️ 自治体・施設によって違います。上の子を連れて行けないところもあります。その場合は来てもらう形(居宅訪問)が現実的です。市区町村に確認してください。

Q. 産後何か月まで使えますか。

A. 法律上は⚠️ 出産後1年を経過しないまでです。⚠️ ただし自治体が独自に期間を区切っていることがあります。

Q. 母乳の相談だけでも使えますか。

A. ガイドラインには⚠️ 「適切な授乳が実施できるためのケア(乳房のケアを含む)」が中身として挙げられています。⚠️ 対応の範囲は施設によって違うので、申し込み時に確認してください。

Q. 父親も一緒に受けられますか。

A. ⚠️ 対象は母親と乳児です。ただし「家族等の身近な支援者との関係調整」も中身に含まれているので、⚠️ 相談の場に同席できるかは自治体・施設に確認してください。

Q. 病院で「産後ケア」と言われたものと同じですか。

A. ⚠️ 違うことがあります。産院が独自にやっている有料サービスと、市町村の産後ケア事業は別のものです。どちらの話か確認してください。

まとめ

  • 市町村の事業。対象は⚠️ 出産後1年を経過しない母親と赤ちゃん
  • 泊まる/通う/来てもらうの3つ。⚠️ 上の子がいるなら「来てもらう」がある
  • ⚠️ 助産師などの看護職が中心(出産後4か月頃までは原則、助産師)
  • ★ ⚠️ 里帰り先でも使えることがある。里帰りを決めたら住所地の市区町村に伝える
  • ★ ⚠️ 流産・死産を経験された方も対象に含まれる
  • ⚠️ 利用料は自治体差。所得に応じた減免に努める決まり
  • ⚠️ 申し込みは家族でもできる。電話での受付に配慮する決まり

⚠️ 産む前に、市区町村のページを一度だけ見ておいてください。 それだけで足ります。

出産後の手続き全体は出産後の手続き全リストに、赤ちゃんが入院した場合の医療費は未熟児養育医療給付に、保育園のことは保活はいつから?にまとめています。健康保険の手続きは赤ちゃんの健康保険はどっちの扶養に入れる?をご覧ください。

この記事について

この記事はイクジヒロバが公開したものです。運営:やすぴ。内容は母子保健法およびこども家庭庁「産前・産後サポート事業ガイドライン/産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月)にもとづいて記載しています。⚠️ 利用料・回数・対象期間・上の子の同伴可否は市区町村ごとに異なります。 必ずお住まいの市区町村にご確認ください。体調に関する判断は医療機関にご相談ください。運営者・監修者のプロフィールは運営者情報をご覧ください。

📚 この記事を書くために参考にした情報
母子保健法 第17条の2(産後ケア事業) https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000141
📚 この記事を書くために参考にした情報
こども家庭庁「産前・産後サポート事業ガイドライン/産後ケア事業ガイドライン」(令和6年10月) https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken
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