出産の入院は、思っているより短いです。そして退院日は、突然決まります。
「明日退院できます」と言われてから動くと、当日にあわてます。赤ちゃんを乗せる準備ができていない、家に帰ったら寝る場所が整っていない、冷蔵庫が空っぽ——このあたりは、入院中に片づけられることです。
この記事は、病院にいないほうが、入院中にやっておけることを順番に並べたものです。産んだ本人は、退院の日まで身動きが取れません。だからここは、動けるほうが先に済ませておくのがいちばん効きます。
結論:入院中にやることは、この5つ
1. 退院日の帰り方を決める(チャイルドシートは取り付けまで済ませる)
2. 家の中に「3つの定位置」を作る(寝る/おむつ替え/授乳)
3. 手続きを進める(出生届・児童手当・健康保険)
4. 食べるものを確保する(帰った日に料理はできません)
5. 上の子の生活を回す段取り(きょうだいがいる場合)
1. 退院日の帰り方
車で帰るなら、チャイルドシートは「買う」ではなく「取り付けまで」
ここは法律の話です。道路交通法で、6歳未満の幼児を乗せるときはチャイルドシートの使用が義務とされています。運転する人の義務です。
そして——新生児は、当然この対象です。 退院日が、赤ちゃんにとって初めての乗車になります。
やりがちな失敗が、買っただけで満足してしまうことです。取り付けは慣れないと時間がかかりますし、車種によっては説明書とにらめっこになります。入院中に、実際に取り付けて固定まで確認しておいてください。
→ どのタイプを選ぶかで迷っている場合は チャイルドシートの選び方は「5つの分かれ道」で決まる に整理しています。
タクシーで帰る場合
タクシーやバスなどの旅客運送事業の車は、チャイルドシートの使用義務の対象から外れています(道路交通法施行令)。だから、チャイルドシートなしで乗せても違反にはなりません。
ただし、義務がないことと、安全であることは別の話です。抱っこで乗るなら、後部座席で、大人がしっかり支える。心配なら、チャイルドシート付きの車両を手配できるタクシー会社を探しておくのも手です(地域によっては陣痛タクシーの延長で対応してくれることがあります)。
これは入院中に調べておけることです。 退院の朝に電話を掛け始めると、間に合いません。
2. 家の「3つの定位置」を作る
帰ってきた日から、生活はすぐ始まります。先に置き場所を決めておくだけで、動線がまるで変わります。
| 定位置 | 決めておくこと |
|---|---|
| 寝る場所 | ベビーベッドや布団を組み立てて、シーツまで敷いておく。まわりに物を置かない |
| おむつ替えの場所 | おむつ・おしりふき・ゴミ箱を1か所にまとめる。夜も使う場所にする |
| 授乳の場所 | 座る場所と、飲み物・スマホ・クッションを置ける台。長時間そこに座ります |
とくに寝る場所は、入院中に完成させておいてください。組み立てながら赤ちゃんを見るのは無理です。
なお、赤ちゃんの寝る環境については、こども家庭庁があおむけで寝かせること、1歳になるまでは掛け布団を使わないことなどを呼びかけています。組み立てるときに、あわせて確認しておくと安心です。
こども家庭庁「安心して眠れる環境をつくりましょう(乳幼児突然死症候群)」 https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids
部屋の温度も、帰る前に
季節によっては、帰宅した瞬間の部屋の温度が問題になります。夏なら帰る少し前に冷房を入れておく。それだけで違います。
→ 夏の室温については 赤ちゃんの夏の室温は何度が正解? にまとめています。
3. 手続きを進める
入院中は、手続きを進めるのに最適な時間です。産んだ本人は動けないので、ここは病院にいないほうが取ってしまってください。
- 出生届 — 生まれた日を含めて14日以内。署名は父母、窓口へ持っていくのは代理の人でもよいとする自治体が多い
- 児童手当 — 出生の日の翌日から15日以内。遅れた月分はさかのぼれません
- 健康保険 — 会社員・公務員は事実発生から5日以内に勤務先経由
→ 何を誰が代われるかは 出産後の手続き、どっちがやってもいい に一覧があります。全体像は 出産後にやる手続き全リスト へ。
病室で署名をもらって、そのまま役所へ。 この動き方ができると、退院までにかなり片づきます。
4. 食べるものを確保する
見落としやすいのがこれです。帰った日に料理はできません。
- レトルト・冷凍食品・カット済みの野菜を、1週間分
- 片手で食べられるもの(おにぎり、パン、ゼリー飲料)
- 飲み物を多めに。授乳中はとにかく喉が渇きます
宅配やネットスーパーを入院中に登録しておくのも有効です。初回は本人確認や配達枠の確保に時間がかかることがあるので、必要になってから始めるのでは遅いです。
5. 上の子がいる場合
きょうだいがいると、退院日は上の子にとっても大きな日になります。
- 保育園・学校の送り迎えを、誰がどの日にやるかを紙に書く
- 上の子の生活リズムを変えない(変わるものが多いほど、不安定になります)
- 退院の日、上の子と過ごす時間を少しだけ確保しておく
ここは実務というより、気持ちの段取りです。私自身、二人目を迎えるところで、いちばん考えているのがここです。
退院日の持ち物
当日に持っていくものは、前日にまとめて玄関に置いておくのが確実です。
- 赤ちゃんの服(肌着+ウェア)とおくるみ・ブランケット
- おむつとおしりふき(帰りに替える可能性があります)
- 母子健康手帳
- 退院費用の支払い手段(カードが使えるか、事前に確認)
- 入院中の荷物を持ち帰る袋(増えています。行きより荷物は多いです)
注意していただきたいこと
この記事は、2026年8月時点の一般的な段取りを整理したものです。
退院の日程・手続き・支払い方法は病院によって違います。 また、産後の体の状態には個人差があり、この記事は医療的な判断を示すものではありません。 体調のことは、必ず病院や助産師に相談してください。
チャイルドシートの取り扱いについては、お住まいの地域の警察や、利用するタクシー会社にご確認ください。
警察庁「子供を守るチャイルドシート」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html
まとめ
- 退院日は突然決まる。 入院中に片づけられることを先に取る
- 車で帰るなら、チャイルドシートは取り付けまで完了させておく(6歳未満は使用が義務)
- タクシーは使用義務の対象外。ただし義務がないことと安全であることは別
- 家には3つの定位置(寝る/おむつ替え/授乳)を作っておく。寝る場所は完成させておく
- 手続きは入院中がチャンス。 病室で署名 → 役所へ、が動きやすい
- 食べるものを1週間分。 帰った日に料理はできません
産んだ本人は、退院の日まで動けません。そのあいだに何を片づけておけるか——ここが、産後の最初の1週間の楽さを決めます。
この記事について
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